7.その他有価証券の評価差額の会計処理
 
 Question2-7
 
 当社は、以下の銘柄の上場株式を保有しています。保有しているすべての株式はその他有価証券に分類しており、その取得価額及び期末時価は次のとおりです。会計処理はどのようになりますか。また、当社は税効果会計を適用しており、実効税率は40%で、繰延税金資産の回収可能性に問題はありません。
 

銘  柄 X1年3月31日期 X2年3月31日期
取得価額 期末時価 売却価額 期末時価
A株式 700 900    1,200
B株式 1,800 1,300 2,100   
C株式 1,400 1,000    800

部分資本直入法を採用している場合、X1年3月期においてはB株式及びC株式、X2年3月期においてはC株式について評価差損が生じているため有価証券評価損が計上されます。

 Answer
 
1 全部資本直入法
 その他有価証券の評価差額(評価差益及び評価差損)の合計額を資本の部に計上する方法です。
 [X1年3月31日]
 A株式は評価差益、B株式及びC株式は評価差損が生じているため、評価差額は税効果を認識した上で資本の部に計上します。
(1)  A株式
  その他有価証券 200    有価証券評価差額  120
繰延税金負債 80
 A株式の評価差益:900−700=200
 税効果相当額:200×40%=80
(2)  B株式
  有価証券評価差額  300   その他有価証券 500
  繰延税金資産 200
 B株式の評価差損:1,800−1,300=500
 税効果相当額:500×40%=200
(3)  C株式
  有価証券評価差額  240   その他有価証券 400
  繰延税金資産 160
 C株式の評価差損:1,400−1,000=400
 税効果相当額:400×40%=160
 
 [X1年4月1日(期首)]
 A、B、C株式の評価差額の計上は洗替処理のため、X1年3月31日の期末に計上した評価差額の合計額及び繰延税金資産及び負債は振戻し処理を行います。
  その他有価証券  700   有価証券評価差額  420
  繰延税金負債 80 繰延税金資産 360
 
 [B株式売却時]
 期首に洗替処理しているため、B株式の売却時の帳簿価額は取得価額の1,800であり、売却益は売却価額2,100と取得価額1,800との差額である300となります。
  現金預金 2,100   その他有価証券  1,800
有価証券売却益 300
 
 [X2年3月31日(期末)]
 A株式は評価差益、C株式は評価差損が生じているため、評価差額は税効果を認識した上で資本の部に計上します。期首に洗替処理により帳簿価額を取得価額としているため、評価差額は取得価額との差額です。
(1)  A株式
  その他有価証券 500   有価証券評価差額  300
繰延税金負債 200
 A株式の評価差益:1,200−700=500
 税効果相当額:500×40%=200
(2)  C株式
  有価証券評価差額  360   その他有価証券 600
  繰延税金資産 240
 C株式の評価差損:1,400−800=600
 税効果相当額:600×40%=240

2 部分資本直入法
 評価差益は資本の部に計上し、評価差損は当期の損失として処理する方法です。
 [X1年3月31日]
 A株式は、全部資本直入法と同じですが、B株式及びC株式は評価差損のため当期の損失として処理します。
(1)  A株式
  その他有価証券 200    有価証券評価差額  120
繰延税金負債 80
 A株式の評価差益:900−700=200
 税効果相当額:200×40%=80
(2)  B株式
    有価証券評価損益 500 /     その他有価証券 500
 B株式の評価差損:1,800−1,300=500
(3)  C株式
    有価証券評価損益 400 /     その他有価証券 400
 C株式の評価差損:1,400−1,000=400

 [X1年4月1日(期首)]
 A株式の評価差額の計上は洗替処理のため、X1年3月31日の期末に計上した評価差額及び繰延税金負債は振り戻し処理を行います。また、B株式及びC株式も洗替処理しますが、X1年3月31日に計上した評価損を評価益として振戻処理します。
(1)  A株式
  有価証券評価差額  120   その他有価証券 200
  繰延税金負債 80
(2)  B株式及びC株式
    その他有価証券 900   /     有価証券評価損益 900
 B株式及びC株式の評価差損:500+400=900

 [B株式売却時]
 期首に洗替処理しているため、B株式の売却時の帳簿価額は取得価額の1,800であり、売却益は売却価額2,100と取得価額1,800との差額である300となります。
  現金預金 2,100    その他有価証券  1,800
有価証券売却益 300

 [X2年3月31日(期末)]
 A株式は評価差益のため、評価差額は税効果を認識した上で資本の部に計上します。また、C株式は評価差損のため当期の損失として処理します。期首に洗替処理により帳簿価額を取得価額としているため、評価差額は取得価額との差額です。
(1)  A株式
  その他有価証券 500    有価証券評価差額  300
繰延税金負債 200
 A株式の評価差益:1,200−700=500
 税効果相当額:500×40%=200
(2)  C株式
    有価証券評価損益 600 /     その他有価証券 600
 C株式の評価差損:1,400−800=600

 

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