目次 Q14


Q14 取引先が倒産してしまいました。どうしたらよいでしょうか。

《ANSWER》

 実際には与信管理等、可能な限りの防御策をしっかりと行っていたとしても、残念ながら、取引先が支払不能状態になることはある。債権額すべてを回収することは困難かもしれないが、少しでも回収する努力はしてみるものであろう。以下で、具体的な回収方法について簡単に述べる。実際に利用する場合は、法律の専門家に個別に相談することをお勧めする。

1.商品引あげ

 自社が納入した商品を自社に引きあげることは、最も基本的な債権回収の手法といえる。しかし、くれぐれも先方の所有権、占有を侵害する行為に及んではならない。

 また倒産時に、早いもの勝ちだといわんばかりに、他社があらゆる商品の持出しを行っているからといって、自社もそれに便乗して、後で窃盗罪で訴えられても仕方がない。くれぐれも慎重な対応が必要であろう。

2.代物弁済

 代物弁済とは、返済目的であったものとは異なった、同価値の代替物をもって返済するということである。単純化して実例をあげれば、100万円の借金に対して100万円相当の車を譲るといったものである。

 この代物弁済の代「物」とは、債権でも構わない。債務者が誰か別の者に債権をもっていたら、それを引き渡してもらうのだ。これは法的には債権譲渡となるため、第三債務者に債権譲渡の通知(内容証明で可)を送れば債務者には満額請求可能となる。また、その他の人に自分より後に債権譲渡されても、その人に優先される。

 債権とは、必ずしも契約書で厳格に契約されたものでなくてもよい。

 

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