目次 Q12


Q12 与信管理を適切に行うための社内管理体制の構築方法を教えてください。

《ANSWER》

 社内管理体制において問題となるのが、与信管理の一連の業務を、営業部門、与信管理担当部門(総務部門)、経理部門の各部門にどのように分掌し、互いにけん制させ、与信管理業務を適切に遂行するかという点である。

 与信管理と一言にいうが、実際には、管理対象に関する必要十分な情報を入手し、その情報が判断すべき部門に遅滞なく伝達され、明確な判断尺度に基づいて適切に判断し、その判断が適切であったかどうか検証するといったプロセスを踏むことによってなされている。

 新規取引の開始にあたっては、事前に「取引開始申請書」を取引予定先に記載させることが望ましい。「取引開始申請書」を取引予定先から入手する業務はやはり営業部門となろう。それを受けて、与信管理部門では登記簿謄本等必要な情報を入手し、取引を開始しても問題ないか確認する作業を行う。ここで重要なことは、営業部門と与信管理を担当する部門を別にすることだ。

 与信管理部門が設定した与信限度額内に債権残高が推移していることを確認するのが経理部門の役目となる。「与信限度額」を超えたことを通知し、取引額を減少させるように伝えるのである。

 与信限度額は必ずしも画一的に考えるのではなく、必要な場合はそれを超える場合もあり得る。問題は、与信限度額を超える取引の場合は、より慎重な判断の上で、実行できるような体制を構築することが重要といえる。

 

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