目次 Q10


Q10 新規取引の申込みをある企業からいただきました。
  どう対応すればよいでしょうか。

《ANSWER》

 特に契約を交わすでもなく、名刺1枚を信用して口約束だけで取引を開始してしまうことが中小企業にはよくある。詐欺・偽装倒産といった悪質な手段をとる者も、最初は小口の取引から行い実績ができてから大口の取引を行うようである。

 こうした被害に遭わないためには、何よりもまず取引相手に関する情報収集が不可欠となる。できれば取引開始時点という、最も相手方に対して力関係が優位な段階で、相手方の情報をできるだけ収集しておくのが重要となる。

 最低限、会社の商業登記簿謄本、代表者の自宅の登記簿謄本を入手する。これにより、借入先や借入れのおおよその額まで推測でき、万が一相手が倒産したときにも債権の保全を迅速に行うことができる。もちろんこれだけでは十分だとはいえないが、少なくとも名前だけの架空会社と取引したり、莫大な債務を抱えた会社と大口の契約を易々と結んでしまうような事態は避けることができる。

 

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