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Q6 税務上、貸倒処理はできるでしょうか。 特に、民事再生法が適用された場合はどうでしょうか。 |
《ANSWER》 税務上、貸金の回収不能額を貸倒損失としてその者の課税所得計算にマイナス処理するためには、明確な事実がなければならない。これは、課税所得を不当に小さくすることを防ぐために必要な条件となっている。一方、企業会計の世界では回収不能のおそれがあるときは、保守的に回収可能額を見積もることが要請される。よって、税務上貸倒れが認められないような債権であっても、会計上貸倒処理を行うことがよくある。では、どのような事実があれば税務上、貸倒処理が認められるのであろうか。
金銭債権の全部または一部の切捨てについて、会社更生法の規程により更生計画の認可決定があった場合。
民事再生法の創設に伴い、商法に基づく会社整理は使用しないことになるので、これから新しく商法に基づいて会社整理をすることは考えなくてもよい。
民事再生法は平成12年に和議法に変わって新しく創設された法律である。同法は、日本の従来の和議法や会社整理が時代遅れの感のある法律であったことに対する反省として生まれた法律である。つまり、起業したにもかかわらずに失敗したときに、個人財産をすべてなくしてしまうような体系に、起業家精神を萎えさせているとの批判があったのである。それに対して、民事再生法は以下のような特徴がある。 (1)申請開始時期の早期化 (2)再建計画の条件緩和 (3)不動産担保解除 (4)包括的禁止命令 (5)再建計画履行確保措置 ◆民事再生法と貸倒れ 民事再生法の開始申立て時点には、会計上は破産更生債権等を貸倒引当金として計上し、税務上は債権額の50%相当額を貸倒計上することになる。また、再生計画認可決定の時点には、戻らない金額のすべてを貸倒損失処理することになる(法人税基本通達9−6−1)。よって、民事再生法の場合でも、税務上の処理については以前の商法による特別清算などとほぼ変わらない。
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