目次 Q1


Q1 不良債権とは何ですか。

《ANSWER》

 不良債権とは何であろうか。一般に不良債権は「企業の経営悪化などにより回収不能となるリスクの高い債権」と定義される。通常債権が不良化するのは貸出し先企業の経営が悪化するからであり、たとえ景気が良いときであっても、不良債権というものはいつでも存在する。事実、これまで貸し手の金融機関はあらかじめ一定の割合で不良債権が発生することを見越して、貸出し債権の一定の割合を貸倒引当金として不良債権の発生に準備していた。ただ、近年の景気のせいで不良債権の発生額がその予想をはるかに上回ることが、現在、非常に深刻な問題となっているのである。

【銀行を巡るお金の流れ】
【銀行を巡るお金の流れ】


 不良債権はそこへ貸し出したお金について損が発生するのではなく、手許へ帰ってくればさらに融資を実行して働いたであろう部分をも、逆に損失として発生してしまうことが問題なのである。動脈硬化のようにその部分(すなわち、資金の流動化)が傷み、かつ銀行という体全体をも蝕む深刻な問題なのである。

 

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