税と賄賂と高額納税者 in ミャンマー
   
作成日:12/25/2014
提供元:マネーコンシェルジュ税理士法人
  


■高額納税者発表 in ミャンマー

アウンサン・スーチーさんが有名なミャンマーで、3回目となる「高額納税者」の発表が12月中に行われるようです。

目的は、徴税強化策の一環で、「優良納税者を顕彰し国民に納税の必要性を啓発するため」です。

日経新聞2014/12/17

税と賄賂は表裏一体(アジア便り)

ミャンマー財務省が月内に「2013~14年の高額納税者」千人を公表する。
12年に始まったこの取り組みは今年が3回目だ。
優良納税者を顕彰し国民に納税の必要性を啓発する徴税強化策の一環だ。

ミャンマーの国内総生産(GDP)に対する税収の比率は4%で、10%を超える他の東南アジア諸国に比べ極端に低い。当局の徴税能力不足に加え、低い納税意識も原因とされる。

地元記者に聞くと「周りに税金を払ってるやつなんて1人もいない」と涼しい顔。
1~20%の所得税があるはずだが「役人がさんざん賄賂をとっているのにばかばかしい」という。
12月に国際非政府組織(NGO)が発表した世界汚職撲滅度ランキングでミャンマーは東南アジア最悪の156位だった。

税金と賄賂は表裏一体の関係で、賄賂がなくならないと税収は増えないのかもしれない。
 

■日本でもかつてはあった「高額納税者公示制度」

ミャンマーで行われている高額納税者公示制度ですが、実は日本でも8年程前までありました。

当時、新聞や週刊誌などで、歌手やスポーツ選手が××円納税をしたので推定年収は××円などと書かれていました。

日本では犯罪抑止などの観点から2006年に廃止されましたが、多分、日本の影響もあってミャンマーでは今回が3回目の実施となるようです。

ちなみに、日本の税務大学校にミャンマーの内国歳入局(Internal Revenue Department)の方が勉強に来ているようですので、日本の税制はミャンマーに少なからず影響しているようです。

今から約10年ほど前に書いたコラムですが、参考まで。

高額納税者は、エンジェル

この時には、高額納税者公示制度が日本にもありました。

「こんなもの、要らない。」と書いたら、その数年後本当になくなってびっくりしたのを覚えています。


■税と賄賂

ミャンマーの地元記者のコメントが印象深いです。

「周りに税金を払ってるやつなんて1人もいない」
「役人がさんざん賄賂をとっているのにばかばかしい」

実際、国際非政府組織(NGO)発表の「世界汚職撲滅度ランキング」で、ミャンマーは東南アジア最悪の156位です。

ヨーロッパではイタリアなんかもそういわれますが、「税金と賄賂」は表と裏の関係なのかもしれませんね。


■とはいえ、ミャンマーが熱い!

とはいえ、ミャンマー、引いては東南アジアの健全な社会や政治や経済の発展は、様々な面で日本にとっては大切です。

来年である2015年には、日本の支援でミャンマー証券取引所がオープンします。
ティラワ工業団地もこれから本腰入れて日本企業進出開始となるでしょう。

他にも、「学習塾の京進が2015年1月にミャンマーで日本語教育」を始めますし、「富山の薬売りがミャンマーへ生産技術向上に協力」等のニュース報道もなされています。