レポート 〜成功する会計事務所のセオリー
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採用の判断基準は?
(15/01/05)

 みなさんの事務所では、採用にどのような判断基準を設けていますか?

 会計事務所で募集要項としてよく挙げられているのは、税理士、税理士試験科目合格○科目以上、簿記○級以上、実務経験○年以上、向上心、コミュニケーション能力、協調性、素直さ、勉強好き、前向きさなどがあります。

 これらの項目は、数年先を見据えた投資としての採用や、急な退職による欠員、お客様が増えたことによる即戦力の補充など、その時の状況によって違ってきます。

 そして、採用のポイントは事務所ごとに異なりますが、「何ができるのか(経験)」と「何ができる可能性があるのか(ポテンシャル)」の2つの要素が判断基準として挙げられます。

 会計事務所ではどちらかというと、「何ができるのか(経験)」を採用基準にしている事務所が多いと思いますが、「何ができる可能性があるのか(ポテンシャル)」を重視して採用に成功している事例をご紹介します。

 その事務所が募集要項に掲げているのは「業界未経験者、営業経験者優遇、コミュニケーション能力」でした。

 なぜのこのような条件としているか? 先生に伺うと、

業界経験者については、前の事務所と比較し、自分のこれまでのやり方で業務を進めようとする。結果的にルールの崩壊へと繋がる。

しかし、業界未経験者だと他業種のやり方を取り入れようとし、今までにない効率的なやり方が生まれる。

営業経験者であれば、お客様への説明、提案、ヒアリング、ニーズ喚起など、会計人が一番弱い部分を既に経験していることが強み。

簿記は入社してから勉強すればいい。実務をやっていれば自然と身につくはず。

という考えで、「もし会計担当者としてうまくいかなければ営業をさせるという方向性もある」とのことです。

 会計業界は採用難と言われていますが、少し趣向を変えることで事務所にぴったりの人材に出会えるかも知れません。

 今後の採用において、少しでも参考になれば幸いです。