レポート 〜成功する会計事務所のセオリー
バックナンバー

温故知新
(13/06/03)

 現在はITも普及し、多くのことがパソコンを使って効率良く行えるようになってきています。文書のほとんどはワードを使って作成され、顧問先とのやり取りも、メールを使うところが多くなってきました。中には、「顧問先とのやり取りは、ほとんどメールで済んでいます」と仰る先生もいらっしゃいます。

 そんな中、先日お会いした会計事務所の先生が仰っていたことが印象的でした。

 「現在はITも普及し、顧問先とはすぐにメールなどで連絡を取ることができるが、私はアナログな面も大事にしたい。」

 この事務所は職員数にして十数名で、既に所長先生が全ての顧問先に対応することは難しくなっています。しかし、この先生は外出する時に“顧問先マップ”を持って行き、訪問先の近くに顧問先がある場合には、必ず顔を見せるようにしているそうです。たとえ短時間でも、先生自身が挨拶に伺うと非常に喜ばれるそうで、「何年も前から続けている」と仰っていました。

 また、顧問先へ手紙を書く時にも、「想いが入るから」という理由で、パソコンは使わずに手書きで作成されています。その一方で、所内の作業はITを駆使して徹底的に効率化を図っていらっしゃいます。

 【温故知新】という言葉があります。「故きを温ねて新しきを知る」と、昔の事柄を調べ、考えていけば新しい知識や見解を得ることができる、という意味です。

 “古き良き物事を大事にしながら、新しい取り組みにチャレンジする”。こうした意味で、所内体制はデジタル化しながらも顧問先対応は意図的にアナログ化する、この取り組みが非常に印象に残りました。

 何よりも、人と人とのつながりを大事に思い、顧問先に真摯に対応するその姿に感動しました。

 顧問先を心から大事にされている読者の皆様も、是非「故きを温ねて」みてください。顧問先への新たな付加価値につながる“何か”が見つかるかもしれません。