「顧問料7万円」、これは高いと思われますか? (12/10/02)
会計事務所の先生方とお会いすると、顧問料の設定についてのお話をよくお聞きします。平成14年の報酬規程撤廃により、会計事務所間の競争は激化し、現在では「顧問料1万円」という安価な税理士サービスも市場でよく見かけます。 顧客は、顧問料の“高い”“安い”について、何を基準に判断するのでしょうか? その判断基準は【顧客が感じる価値】です。 有名な話に、リッツカールトンのコーラがあります。リッツカールトンのルームサービスでコーラを頼むと、15分後には最適な温度に冷やされたコーラに氷とライムがつき、シルバーのお盆に乗って運ばれてきます。ディスカウントストアで100円前後で販売されているコーラは、リッツカールトンでは10倍の1000円で販売されています。 このケースでは、顧客はコーラという“製品”で価値を判断しているのではなく、“サービス(体験)”という目に見えない価値を購入しています。この特別な体験に、顧客は喜んで(通常の10倍もの)対価を支払う、ということです。 会計事務所業界でも、冒頭のように低価格で勝負する事務所もあれば、高付加価値で勝負する事務所もあります。 例えば、 ・医業に特化し、専門性の高い税理士サービスを提供する ・M&Aなどの付随業務により高付加価値を提供する ・マーケティング支援など、通常の税理士サービス以外の付加価値を提供する ・顧問先企業同士のマッチングなどにより顧客の満足度を向上させる ・MAS監査、特化MASによる付加価値の提供 などです。 顧問先企業の社長が、「毎月税理士に7万円の顧問料支払っているが、“●●だから”満足している」と言っている場面を想像してみてください。この“●●だから”には何が入るでしょうか。このことが顧客に認識されており、価値を感じていただけているようであれば、「顧問料が高い!」と言われる可能性は必然的に低くなります。 貴事務所において、「顧客が感じる価値」とは何かを、改めて考えてみるのも良いかもしれません。 |