レポート 〜成功する会計事務所のセオリー
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変わりゆく顧客
(12/07/31)

 今回は、『顧客は誰か?』という話をしたいと思います。

 皆様の事務所でも、顧客満足度を高めるために、様々な工夫や努力をされていることと思います。実際に、先生方にお話を伺うと、見やすく分かりやすい帳票に加工したり、タイムリーに月次資料を作成出来るようにしたり、経営計画を提供したり・・・と“今の顧客”に満足していただくための様々な工夫をしておられます。

 これ自体は非常に重要なことですし、顧問契約の継続や、新規顧客の紹介を貰うためにも考え抜かなければならないテーマだと思っています。

 しかし、先日行った弊社大阪事務所の移転記念講演で、名南税理士法人の代表である吉田の話の中で『“今の顧客”に満足していただくだけでは、不十分ではないか?』と思わされる部分がありました。

 それは「名南税理士法人のここ20年を振り返ってみると、顧客の大半が入れ替わり、20年前のお客様の61%が関与切れになっている」という話です。

 これを聞いて私は、「名南経営では顧客の要望に応えるために、社労士・行政書士・コンサルタント等を含めて様々な部門を作ってきた」と聞いていましたので、少なからずショックを受けたと同時に、お客様の経営環境や、成功モデルの変化の速さに驚きました。

 考えてみると、負債額1,000万円以上の企業が毎年1万件以上倒産する時代となり、10年間経営を続けるのも並大抵の努力では難しい、というのが現在の中小企業の実情です。

 この事実に対して「会計事務所として今の顧問先様に何ができるか?」を考えることが重要であると同時に、生き残っていくために、『今の顧客』だけではなく『未来の顧客』は何を求めているのか? を考える必要があるのではないか、と強く感じました。

 是非、皆様の事務所でも、会計事務所として成長し続けるために『10年後の顧客は誰か?』そして『今年は事務所の何を変えられたのか?』を考えてみてはいかがでしょうか?