レポート 〜成功する会計事務所のセオリー
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ムダをなくし、利益を生む考え方
(12/06/25)

 今回は、名南経営でムダが減り、利益が生まれた考え方をご紹介したいと思います。

 日々、顧問先に訪問し、月次処理・決算等の仕事を漫然と行っていると、思わぬところでムダがあったこと気付かされることがあります。特に、自分の中で“当たり前”になってしまっていると気付きにくく、改善されないまま何年も過ぎてしまっていることも多々あります。

 こうしたムダは、気付くことが難しく、知らぬ間に5分、10分と蓄積され、気が付いた時には、数百万円分・・・になってしまっているケースも珍しくありません。

 そんな、会計事務所にとっても見過ごせない損失の1つである“ムダ時間”を定期的にあぶり出して改善を図り、より“利益を生む仕事”に時間を投下する考え方があります。『日々の仕事を3つの分類に分け、その比率を定期的に見直す』という方法です。

 私たちの事務所でも売上アップに成功した事例がありますので、具体的にご紹介します。

 まず、3つの分類は、

・月次訪問、決算、年末調整等の「利益を生んでいる仕事」
・セミナー、営業活動等の「利益を生むために必要な時間」
・移動、書類を探す時間、書類作成、月次処理にかかる時間等の「その他時間」

 このように分けます。そして、それぞれにどれくらい時間が割かれているか? を月単位で確認します。

※感覚的には、取り組み始めた当初は「その他時間」の割合が5割程度になることが多いように思います。

 次に、事務所の利益につながっていない「その他時間」をできる限り減らすように、顧問先に依頼をします。更に、仕事の手順で見直すべきことや、所内の備品の整理方法などの観点からも、日頃の業務を見直します。個別対応で提供している帳票等も見直すと、効果が期待できます。

 このようにして、半年、一年と取り組み続けるうちに「その他時間」の割合が減り、「利益を生んでいる時間」「利益を生むために必要な時間」に投下する割合が増え始めると、自然と、ムダの少ない利益体質の強い事務所に近づいてきます。

 私どもの事務所でも、これらの方法を実践して一人あたりの売上が800万円以上アップしたスタッフが現れました。

 方法は地味ですが、考え方の変化は事務所にとって大きな効果をもたらします。ピンときた方は是非、実践してみてください。