日本一を育てる期待のかけ方<1> (12/04/06)
以前聞いた話の中に、何度もチームを日本一に導き、数多くの優秀な選手を育ててきた名監督が「なぜ、このような成功を手にすることができたのか?」という問いに【期待のかけ方にも正しい方法がある】という話をしていました。 この話が会計事務所経営にも役に立つ非常に有益な話だと感じましたので、今回から2回に分けてご紹介したいと思います。 皆様も職員さんに【期待】をかけていると思います。 「事務所を任せられるリーダーとして成長してほしい。」 「会計担当者として一人前に成長してほしい。」 「職員が自ら進んで新規開拓をしてほしい。」 などなど、大きなものから小さなものまで様々だと思います。しかし、この期待が「職員の給料を増やしてあげたい」「仕事にやりがいを感じてもらいたい」という“愛情”から生まれたものだとしても、そう願い、伝えただけでは、叶う見込みは少ない、と監督はおっしゃっていました。 その理由をまとめると、主に3つに集約することができます。 ・『リーダー』『一人前』『新規開拓』など【期待があいまい】であること ・いつまでに達成するのか【期間が不明確】であること ・一方的に期待をかけているため【プロセスが共有できていない】こと これだけでは分かりにくいので、先ほどの「事務所を任せられるリーダーとして成長してほしい。」という例を使って、詳しく解説します。 まず、理由の一つ目に挙げた【期待があいまい】についてですが、“リーダーらしい人”というのは人によってイメージが異なるはずです。松下幸之助氏や稲盛和夫氏など、歴史に残る名経営者をイメージする人や、身近にいるアルバイト先の先輩や店長をイメージする人など、様々だと思います。 もし、このイメージの違いを認識せず、期待をかける側とかけられる側のすり合わせをすることなくそのまま進んでしまうと、所長先生と職員さんの間で異なるイメージの“リーダー”を目指していくことになります。 はじめは、所長先生もじっと我慢をして温かい目で見守ることが出来ても、職員さんが「いいリーダーになろう」と努力すればするほど、発言や行動に違和感や大きなギャップを感じるようになり、ついには「このままではまずい」と“指導”をするようになります。 しかし一方で、職員の立場からすると「『所長の期待に応えよう』とリーダーらしく振る舞うように努力をしているのに、なぜ指導されなければならないのか?」と不満を持つようになってしまいます。 そして、このような状態が慢性化すると、職員さんが「所長のは人を認めようとしない。」と反感を持ってしまったり、やる気を失うことになってしまったり・・・という期待はずれな結果になってしまいます。これが一つ目の【あいまいな期待】の弊害です。 次の【期間が不明確】と【プロセスが共有できていない】についても、このまま一気にご説明したいところですが、長くなってきましたので、次回でまとめと共にお伝えしたいと思います。 |