会社を良くする「経営の教科書」
経営の教科書
一覧はこちら

第25回 P/L思考からB/S思考への転換!(資金格付表の使い方1)


 「社長の会社には現預金が幾ら必要ですか?」と尋ねられたとき、即答できる経営者はどの程度存在するだろうか?

 財務計画を立てる際に(計画の必要性について、議論の余地はあるが…)、売上や粗利・経費の計画ではなく、現預金を軸としたB/Sの計画を立てている経営者がどの程度存在するだろうか?

 これらの問いかけに明確に答えを出す為には、前回紹介した資金格付け表を活用する必要がある。単に自社を格付けして現状を確認して終わったのでは意味が無い。現状を確認するのは未来を主体的に創造するために他ならない。完全自立型に向かうまでに必要な金額を確認したら、それを何年でどの様に達成するのかを考えればいい。

 売上ではなく、利益でもなく、現預金を幾ら増やすのか? 企業経営者の考え方が、P/LからB/Sに転換すると、実は売上を一円もあげずに、経費を一円も削らずに現預金を増やす方法も見えてくる。その方法については次回の「一日(1/365)の驚くべき効果」で紹介する。

 早速自社の完全自立型になるために必要な資金の額を知ろう。そして具体的資金の蓄積方法の検討をスタートしよう。わからなければ航海士である会計事務所に尋ねてみよう。