目次 VI-4


4 税理士制度の見直し

 税理士制度について、次の見直しが行われます。

(1) 租税教育への取組の推進
 税理士会及び日本税理士会連合会の会則に記載すべき事項について、租税に関する教育その他知識の普及及び啓発活動に関する規定が、その対象に加えられます。
(2) 調査の事前通知の規定の整備
 税務官公署の当該職員は、租税の課税標準等を記載した申告書を提出した者について調査する場合において、その租税に関し税理士法第30条の規定による書面を提出している税理士があるときは、国税通則法等の定めるところにより、当該税理士に対し調査の事前通知をしなければならないこととされます。
(注)平成26年7月1日以後に行う事前通知について適用されます。
(3) 報酬のある公職に就いた場合の税理士業務の停止規定等の見直し
 報酬のある公職に就いた場合の税理士業務の停止等について、兼業禁止規定がない一定の公職に就いた者が、その対象から除外されます。併せて、非税理士に対する名義貸しの禁止規定及びその違反に対する罰則が設けられます。
(4) 税理士試験の受験資格要件の緩和
 一定の事務又は業務に一定期間従事したことにより認められる受験資格について、その従事期間が2年以上(現行:3年以上)とされます。
(5) 補助税理士制度の見直し
 他の税理士又は税理士法人の補助者として常時税理士業務に従事する税理士(補助税理士)について、その所属する他の税理士又は税理士法人の承諾を得て、他人の求めに応じ自ら税理士業務の委嘱を受ける場合の手続が設けられます。その業務範囲の見直しに伴い、その名称の変更、登録事項及び税務書類等への付記の見直し等所要の措置が講じられます。
(6) 公認会計士に係る資格付与の見直し
 税理士の資格について、現行税理士法第3条第1項及び第2項とは別に、公認会計士は、公認会計士法第16条に規定する実務補習団体等が実施する研修のうち、一定の税法に関する研修を受講することとする旨の規定を設けることとされます。
(注1) 上記の税法に関する研修は、次のとおりとされます。
  (1) 実務補習団体等が実施する税法に関する研修を国税審議会が指定することとされます。
  (2) 指定する研修は、税法に属する試験科目の合格者と同程度の学識を習得することができる研修とされます。
(注2) 平成29年4月1日以後に公認会計士試験に合格した者について適用されます。
(7) 税理士に係る懲戒処分の適正化
 税理士に係る懲戒処分のうち、税理士業務の停止について、その期間が2年以内(現行:1年以内)とされます。
(8) 懲戒免職等となった公務員等に係る税理士への登録拒否事由等の見直し
 懲戒免職等となった公務員等が、欠格期間を経過した後に税理士の登録申請をした場合において、その登録を拒否することができることとする等所要の措置が講じられます。
(注)平成26年4月1日以後の登録申請について適用されます。
(9) 事務所設置の適正化
 税理士の登録事務について、日本税理士会連合会及びその登録申請等に係る税理士会は、その申請者等に対し、事務所の所在地等の登録事項(変更登録を含みます。)に関し、必要に応じ、指導又は助言を行うことができることとされます。
(10) 税理士証票の定期的交換
 税理士証票について、税理士は、日本税理士会連合会及びその所属する税理士会の会則の定めるところにより、定期的にその交換を受けなければならないこととされます。
(11) 電子申告等に係る税理士業務の明確化
 電子申告等の電子情報処理組織を使用して行う業務について、税理士業務に含まれることが明確化されます。
(12) 会費滞納者に対する処分の明確化
 税理士会の会費を滞納する者に対して、懲戒処分をすることができる旨が明確化されます。

適用期日 上記の改正は、(2)、(6)、(8)、(11)を除き、平成27年4月1日から適用されます。

 

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