目次 PART5 5-4


 5.4 滞納処分手続:税金を強制的に取り立てる方法

 納税者が税法に決められた期限(法定納期限)までに税金を納めないために、滞納になったとします。この場合に、課税庁がその税金を強制的に取り立てる作業・手続が「滞納処分」です。

 税金が滞納になった場合には、ふつう滞納した納税者に対して事前に告知や督促の手続がとられます。それでも納税者が税金を納めないときには、強制的に税金を取り立てる滞納処分のための一連の作業・手続に入ります。

 滞納処分の手続は、(1)納期限の経過、それから50日以内の(2)督促、(3)財産調査、(4)差押(占有、登記嘱託、第三者債務者への債権差押の通知)、(5)公売または取立て、(6)配当、または(5)猶予、(6)完納、と流れていきます。

 法定納期限まで待っていたら税金の徴収が難しくなるような事情が出てきたとします。この場合に、その納期限を繰り上げて税金を納めるように求め、徴収することを「繰上請求」といいます。繰上請求をしても、繰り上げられた期限までに税金が納められないときには、課税庁は督促なしに直ちに滞納処分の一環としての差押をすることができます。

 納税者に滞納処分をしても、いまだ徴収すべき税額を確保できないとします。この場合に、その納税者と人的・物的なつながりのある第三者に対し第二次的に残りの税金を請求し、滞納処分もできるようにするのが「第二次納税義務」の制度です。

 

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