目次 PART2 2-1


 PART2 租税実体法(実体税法)を学ぶ

 2.1 会社などの税金:法人税法のあらまし

 法人税は、法人の所得に課される国の税金です。広くとらえると、法人税は、所得にかかる税金の1つであることから、法人所得税ということもできます。

 法人税には、所得税と同じく申告納税制度がとられています。ただ、所得税は暦年(1月1日から12月31日)課税ですが、法人税は、事業年度課税です。したがって、法人税は、それぞれの事業年度(例えば4月1日から3月31日)が終わったときに納税義務が成立します。

 法人税がかかる法人にはさまざまな種類があります。そのなかでも最もなじみ深いのが株式会社でしょう。私たちがよく見聞きするテレビ番組のスポンサーになっているような会社の多くは、証券市場に上場している規模の大きい会社です。株主が大勢おり、資本金が巨額なものも少なくありません。

 しかし、株式会社はこれだけではありません。株主・出資者や経営陣も社長やその一族で占められている株式会社もあります。むしろ、わが国では、こうした株式会社が全法人の95%を超えています(2.1.12)*。このような株式会社を同族会社といいます。

 法人税法は、こうした同族会社に関する課税上のさまざまな制約を定めています。また、税務の現場では、同族会社をめぐる課税問題が非常に大きなウエイトを占めています。


 

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