目次 第2章 4


基礎控除はこうなった

 相続税には、基礎控除(正確には遺産に係る基礎控除額という)というものが定められている。正味の遺産総額がこの額までであれば相続税はかからないという額であるが、平成二五年度の税制改正においては、これが次のように減額されることとなった(平成二七年一月一日以後の相続に適用)。

現 行 五○○○万円 + 一○○○万円 × 法定相続人数
改正後 三○○○万円 +  六○○万円 × 法定相続人数

 つまり、四割カットで、六割に縮減されてしまったということだ。こんなに一気に下げられたら、都心にチョッとした自宅を持っている人は、すぐに超えてしまう。ということで、小規模宅地の減額特例が改正され、対象面積が広げられ、調整が図られた。

 なお、この場合の法定相続人数は、相続人のうちに相続を放棄した者がいたとしても、その放棄がなかったものとした場合における法定相続人の数となり、被相続人の養子が二人以上いるときは、被相続人に実子がいるときは一人、実子がいないときは二人をその法定相続人の数に加えた数になる。

 

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