目次 第2章 3


新相続税の計算方法

 ではまず、新相続税の話に入る前に、相続税の計算方法の概観を見ておこう。相続税額は、次のように計算する。

(1) 正味の遺産総額を求める
 まず、相続財産の総額から債務及び葬式費用を控除する。相続財産の総額とは、本来の相続財産、みなし相続財産、相続時精算課税対象財産、相続開始前三年以内の贈与財産を合計したものをいう。

(2) 課税遺産総額を求める
 次に、正味の遺産総額から相続税の基礎控除を差し引く。この金額を課税遺産総額という。

(3) 法定相続分の金額を求める
 課税遺産総額を各相続人が法定相続分に応じて取得したものとする金額を求める。

(4) 相続税の総額を求める
 (3)で求めた金額に対する税額を、相続税の速算表に当てはめて算定する。これを合計したものが、相続税の総額である。相続税の総額は、相続財産を実際にどのように分割したかとは関係なく、機械的に求めていくものである。

(5) 各相続人が取得した財産額に応じて按分する
 (4)の相続税の総額を、実際に相続した課税財産額で按分する。

(6) 税額控除を差し引く
 配偶者に対する相続税額の軽減、贈与税額控除、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、在外財産に対する控除などの税額控除を差し引く。

(7) 納めるべき相続税額
 こうして求めた金額が、各相続人の相続税額である。


新相続税の仕組み(平成27年以後)

 

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