目次 2-3


第3節 法人課税信託の受託法人・委託者・受益者

1 受託法人

 「受託法人」とは、法人課税信託の受託者である法人(その受託者が個人である場合には、その受託者である個人)について、その法人課税信託に係る信託資産等が帰属する受託者(法人または個人)のことをいいます(所法6の3、法法4の7)。




 法人課税信託の信託された営業所が国内にある場合には、その法人課税信託に係る受託法人は内国法人となります。法人課税信託の信託された営業所が国外にある場合には、その受託法人は外国法人となります。また、受託法人のうち会社でないものは、会社とみなすこととされています(所法6の3一〜三、法法4 の7一〜三)。


2 受益者

(1)受益権と受益者の区分等

 法人課税信託の受益権(公募公社債等運用投資信託以外の公社債等運用投資信託の受益権および社債的受益権を除きます。)は、株式または出資とみなされ、法人課税信託の受益者は、株主等に含まれることになります。また、法人課税信託の受託者である法人の株式または出資は、その法人課税信託の株式または出資でないものとみなし、その法人課税信託の受託者である法人の株主等は、その受託法人の株主等でないものとみなします(所法6の3四、法法4の7六)。


(2)受託法人の解散

 法人課税信託について信託の終了があった場合、または法人課税信託(受益者等の存しない信託に限ります。)に受益者等が存することとなった場合には、その法人課税信託に係る受託法人の解散があったものとされます(所法6の3五、法法4の7八)。


 なお「受益者等」とは、次の者をいいます(法法2二十九の二、12丸数字1丸数字2、13丸数字1丸数字2)。

受益者としての権利を現に有する信託の受益者
イの受益者とみなされる信託の変更をする権限(軽微な変更をする一定の権限を除きます。)を現に有し、かつ、信託の信託財産の給付を受けることとされている者(イの受益者を除きます。)


3 委託者

(1)受託法人に対するみなし出資

 受益者の存しない信託以外の法人課税信託の委託者がその有する資産の信託をした場合、または受益者等課税信託が受益者等の存しない信託以外の法人課税信託に該当することとなった場合には、これらの法人課税信託に係る受託法人に対する出資があったものとみなされます(所法6の3六、法法4の7九)。


(2)信託財産のみなし移転

 法人課税信託(受益者等の存しない信託に限ります。)の委託者がその有する資産の信託をした場合、または受益者等課税信託が受益者の存しない信託に該当することとなった場合には、これらの法人課税信託の受託法人に対する贈与によりその資産の移転があったものとみなされます(所法6の3七)。



 

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