目次 2


 2 連結納税の範囲

[1] 連結親法人

 連結親法人とは、内国法人(普通法人または協同組合等)をいい、次に掲げる法人は連結親法人になることができません(法人税法第4条の2、法人税法施行令第14条の6第1・3項)。

 (1) 外国法人
 (2)  内国法人(外国法人を除く)等により発行済株式の100%を保有されている法人(他の内国法人の100%国内子会社)
 (3) 清算中の法人

 上記以外にも、資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社、投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人、法人課税信託に係る法法第4条の7に規定する受託法人、国税庁長官により連結納税の承認を取り消された法人および連結納税の取止めについて国税庁長官の承認を受けた法人で一定期間を経過していないものなどは連結親法人から除外される(法人税法第4条の5第1・3項)。


[2] 連結子法人の範囲

 連結子法人とは、100%国内子会社であり、連結親法人による完全支配関係(連結親法人が発行済株式の全部を直接または間接に保有する関係)がある内国法人のすべてをいいます。そして、次に掲げる法人(連結除外法人)は、連結子法人に含まれません(法人税法第4条の2、法人税法施行令第14条の6第1項)。

 (1) 外国法人および普通法人以外の法人
 (2)  連結親法人による連結完全支配関係を有しなくなったことにより、連結納税の承認を取り消された法人(ただし、承認の取消しの日から同日以後5年を経過する日の属する事業年度終了の日までの期間を経過していないもの。法人税法第4条の5第2項第5号)
 なお、連結完全支配関係とは、連結親法人と連結子法人との間の完全支配関係または連結親法人との間に完全支配関係がある連結子法人相互の関係をいいます(法人税法第2条第12号の7の7)。
 (3) 破産手続開始の決定を受けた法人

 上記以外にも、資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社、投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人、法人課税信託に係る法人税法第4条の7に規定する受託法人、国税庁長官により連結納税の承認を取り消された法人および連結納税の取止めについて国税庁長官の承認を受けた法人で一定期間を経過していないものなどは連結子法人から除外されます(法人税法第4条の5第1・3項)。

 また、連結除外法人および外国法人に株式を所有される内国法人も連結子法人にはなりません(法人税法第4条の2、法人税法施行令第14条の6第2項)。


[3] 発行済株式とは

 連結子法人は、連結親法人により発行済株式の100%を所有されている国内子会社をいいますが、発行済株式には次のものは除かれます(法人税法施行令第14条の6第2項、同令第4条の2第2項)。

 (1) 自己株式
 (2)  従業員持株会が取得した株式およびストック・オプションの行使により役員または使用人が取得した株式を合計した株式で、発行済株式(自己株式を除く)の5%未満のもの

 一方、無議決権株式など種類株式は発行済株式に含まれることとなります(法人税法施行令第14条の6第2項、同令第4条の2第2項)。


[4] 外国子会社の取扱い

 外国法人は、連結親法人の100%子会社である場合でも連結子法人には含まれません(法人税法第4条の2)。また、100%子会社である外国法人を経由した100%強制国内子会社も連結子法人には含まれません(法人税法第4条の2、連結納税基本通達1−2−1)。


[5] 100%未満子会社が100%子会社(孫会社)を保有している場合

 下の図表のとおり、子会社であっても、100%国内子会社でない場合は、連結子法人には含まれません(法人税法第4条の2)。

連結納税の範囲

 また、100%未満の子会社に100%国内子会社(連結親法人の孫会社)がある場合は、100%未満子会社およびその子会社は、親会社の連結納税グループには含まれませんが、当該100%未満子会社を連結親法人として、親会社の連結納税グループとは別の連結納税グループを形成することができます。

 したがって、企業グループでは、複数の100%グループで連結納税を採用することが可能となるため、それぞれのグループで連結納税の有利・不利と採用の可否を決定する必要があります。

 

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