目次 I-23


23 経過措置適用後、年金資産が目減りした場合の会計処理


Question
 当社は6月決算の会社です。厚生年金基金制度(加算部分がプラスアルファ部分のみの代行型)と税制適格退職年金制度を採用しています。厚生年金基金制度について平成15年2月に将来分支給義務免除の認可を受け、平成15年6月期に代行返上の経過措置の適用により、代行返上益を計上しました。ところが、年金資産の現金化の過程で年金資産が目減りし、平成16年6月期には、年金資産が最低責任準備金を下回る結果となりました。この場合の会計処理はどのようにすればよいでしょうか。



Answer

 代行返上の経過措置は、代行部分に係る返還相当額(最低責任準備金)に見合う年金資産が十分に存在することを条件に認められた会計処理です。十分な年金資産が存在することにより、「返還の日」に確実に最低責任準備金相当額を返還できることが保障されます。御質問のように、経過措置適用後に年金資産が目減りした場合には、経過措置の条件を満たさなくなりますので、何らかの方法で年金資産を積増しする必要があります。具体的には、臨時的に掛金を拠出する方法、又は退職給付信託を設定する方法があります。

 また、年金資産を増額することができない場合は、その不足部分を退職給付引当金として引当計上する方法も、選択肢の一つとしてあります。

 

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