目次 I-16


16 退職一時金制度から確定拠出年金制度への移行(経過措置1)


Question
 当社は、退職一時金制度を採用しています。このたび、退職一時金制度から確定拠出年金制度への分割移換による移行を検討していますが、終了損が多額に発生する可能性があります。確定拠出年金制度への移行の場合には経過措置があると聞いていますが、この経過措置について説明してください。



Answer

経過措置について

 退職一時金制度から確定拠出年金制度へ全部又は一部移行する場合には、移行前の退職一時金制度の修了した部分に係る会計基準変更時差異については、原則どおりの終了の処理(一時に損益処理)を行わず、当面の間、残存の費用処理年数又は分割拠出年数のいずれか短い年数で、定額法により費用処理することができます。

 この経過措置の適用に当たり、終了した部分に係る退職給付債務がその減少分相当額の移換額を超過するときは、この超過額相当額を当該終了部分に係る会計基準変更時差異の未処理額から控除した残額について、費用処理を行うこととなります。

 この経過措置は、原則どおりの取扱いを強制すると多額の終了損が発生する場合があり、制度移行の阻害要因になる可能性があることと、退職一時金制度から確定拠出年金制度への移行の際には、分割拠出の取扱いがあることに鑑みて、設けられたものです。

 この経過措置を適用する場合は、その旨並びに貸借対照表及び損益計算書に与える影響額を注記する必要があります。


 参考: 企業会計基準適用指針1号「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(平成14年1月31日企業会計基準委員会)15項、22項、23項、36項

 

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