目次 II-1〜4


II.確定申告をしなければならない人


1 事業所得や不動産所得などがある人の場合

 平成9年分の各種所得金額の合計額から配偶者控除、扶養控除、基礎控除その他の所得控除額を差し引き、その金額を基として算出した税額が配当控除額よりも多い人は、確定申告をしなければなりません(所法120(1))。


2 給与所得がある人の場合

 給与所得者は、一般には、年末調整によって所得税が精算されますので、改めて確定申告をする必要はありませんが、次のいずれかに該当する場合には、確定申告をしなければなりません。

(1) 平成9年分の給与の収入金額が2,000万円を超える人(所法121(1))。
(2)  給与等を1か所から受けている人で、給与所得及び退職所得以外の各種所得(例えば、地代、家賃、原稿料など)の金額の合計額が20万円を超える人(所法121(1)一)。
(3)  給与等を2か所以上から受けている人で従たる給与等の収入金額と、給与所得及び退職所得以外の所得(例えば、地代、家賃、原稿料など)との合計額が20万円を超える人(所法121(1)二)。

 しかし、給与の全部について源泉徴収又は年末調整を受けている場合に、すべての給与の収入金額が、150万円と雑損控除、医療費控除、寄付金控除及び基礎控除以外の所得控除額との合計額以下で、かつ、給与所得及び退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円以下である人は、確定申告をする必要はありません。

注釈
 上記の(2)、(3)の場合は、次のことに注意する必要があります。
(a)  優良賃貸住宅等の割増償却の適用によって不動産所得が20万円以下となる場合は、確定申告が必要です(措法14(5))。その理由は、確定申告書二面の 特例適用条文 欄に「措法○条○項」と具体的に記載することを要件に、特例が適用されることになっているからです。
(b)  青色申告特別控除により所得金額が20万円以下となる場合で特別控除額が10万円の場合は、法的には確定申告の必要はありません。青色申告特別控除の適用については、申告書記載が要件にはなっていないためですが、この場合でも、確定申告書を提出される方がよいと思います(措通25の2-3)。
 なお、35万円の特別控除を受ける場合は、確定申告書への記載と貸借対照表、損益計算書、その他の所得の金額の計算に関する明細書の添付が要件とされていますので、必ず確定申告書を提出しなければなりません。
(c)  確定申告をする必要のない人であっても、医療費控除等を受けるために確定申告をする場合には、20万円以下の所得もあわせて申告しなければなりません。その理由は、20万円以下の所得であっても、非課税というわけではなく、単に納税者と国の便宜のためにこのような規定がおかれているのですから、確定申告をする場合まで含めて、この規定を適用する必要はないからです(所法120、121、122)。
(d)  住宅取得等特別控除の適用を受けようとする場合は、その初年度については、確定申告によらなければなりません(措法41(7))。

(4)  源泉徴収の規定が適用されない給与等(少額老齢年金等、家事使用人給与等、在日外国公館から支払を受ける給与等、国外で支払を受ける給与等)の支払を受けている人で所得税の額が、配当控除の額を超える人(所法120(1)、203の6、184、所基通121-5)。
(5)  同族会社の役員やその親族などで、その法人から給与のほかに、貸付金の利子、店舗、工場などの賃貸料、機械器具の使用料、営業権の使用料などの支払を受けている人(金額の多少を問いません)(所法121(1)、所令262の2)。
(6) 災害を受けた人で、平成9年分給与について災害減免法により源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人(災免法3(6))。


3 退職所得がある人の場合

 退職所得については、通常申告する必要はありませんが、退職金の支払を受ける際に、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかったため、20%の税率で所得税を源泉徴収された人でその源泉徴収税額が正規の税額よりも少ない人などは、申告しなければなりません(所法121(2))。


4 公的年金等の雑所得がある人の場合

 公的年金等に係る雑所得がある人については、公的年金等控除額を控除した残額を公的年金等に係る雑所得の金額とし、これに公的年金等以外の所得金額と合計して「一般用の申告書」や「分離課税用の申告書」などを使用して確定申告をすることになっています。
 ところが、公的年金等を受けている人で、公的年金等の雑所得以外に申告すべき所得がない人については、平成4年分の確定申告からは、簡略化された「公的年金等のみの人用」の申告書で申告できることになっています。

 

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