2-2 QII-2 |
QII−2 路線価図ではわからないこと |
相続税の路線価図からでは、わからないことは何でしょうか。
標準的な形状の土地の価格はわかります。しかし、無道路地などの土地の価格は不動産鑑定評価のような個別評価が必要な場合があります。また、市街化区域か市街化調整区域かの判定ができません。用途地域(II−3参照)もわかりません。 相続税の路線価図は、市街化区域も市街化調整区域も、いずれも同様に価格が付されています。この価格は標準的な形状の土地の価格です。不整形地や無道路地のような土地の価格は、財産評価基本通達の補正率表の数値により補正して求めます。ただし、不動産鑑定評価から見れば、簡便な方法といえます。 不整形地や無道路地などについては、不動産鑑定評価のような個別評価と財産評価基本通達の補正率表の数値により求めた価額との間に大きな開差がある場合には、適正納税のために不動産鑑定評価による個別評価をすべきケースが出てきます。 また、相続税の路線価図は、この地域が市街化区域か市街化調整区域か明確な区別はされていません。確かに、相続税の路線価のうち「倍率地域」は市街化調整区域であることも多くあります。しかし、相続税の路線価図では、市街化調整区域でも市街化区域と同じように価格が付されています。 この場合に、相続税の路線価図に地価公示地があり、例えば、○○(地名)10−1と表示されていれば、その周辺は地価公示地の市街化調整区域内の現況宅地として評価する場所なのです。つまり、地価公示地が茨木10−1であれば、茨木市の市街化調整区域内の現況宅地としての、10−1として評価された場所を示しています。 ところが、平成25年より市街化調整区域の表示がなくなり、一般の住宅地の内に市街化調整区域が混入されるようになりましたから、一般の住宅地に「調区」として表示されるようになりました。 地価公示地の表示方法(例)
これは、都道府県の基準地でも同じように、その標準的な用途により分類されていますので、周辺地の概要は、地価公示地や都道府県の基準地の内容から判断できます。 地価公示地は1月1日の価格であり、都道府県の基準地の場合は7月1日の価格です。評価の時点に差異がありますから、この場合、注意が必要です。 |