目次 2-2 QII-1


2.不動産に関する行政法規Q&A

 QII−1 路線価図からわかること

 相続税の路線価図から何がわかるのですか。


 

 その地域の価格水準が概ねこれでわかります。その正面の路線価が100である場合には、これを0.8で割り戻します。

(基本式)
正面の路線価÷0.8≒地域の価格水準

 100〔100,000円/平方メートル〕÷0.8≒地域の価格水準125〔125,000円/平方メートル〕

 そうしますと、125,000円/平方メートルがその地域の価格水準です。

 相続税の路線価は、概ね実勢である市場価格の約20%低く設定されています。これは、1月1日の価格で固定されているため、仮に12月に相続が発生しても、その価格の変動率による修正は認められません。この△20%は時点修正は認めませんが、価格の変動を約20%低く設定することにより対応するものです。

 これと同じように、固定資産税評価額からも、地域の価格水準を求めることができます。ある土地の固定資産税評価額の単価が100,000円/平方メートルである場合には、これを0.7で割り戻します。

(基本式)
固定資産税評価額(単価)÷0.7≒地域の価格水準

 〔100,000円/平方メートル〕÷0.7≒地域の価格水準〔143,000円/平方メートル〕

 つまり、143,000円/平方メートルがその地域の価格水準です。

 また、同じように建物の固定資産税評価額からも、建物の価格水準を求めることができます。その建物の固定資産税評価額の総額が20,000,000円である場合には、これを0.5で割り戻します。

(基本式)
建物の固定資産税評価額÷0.5≒建物の価格

 20,000,000円÷0.5≒建物の価格〔40,000,000円〕

 建物の実勢価格は、概ね40,000,000円が価格帯です。これらは簡便法ともいうべき手法で、不動産業界では広く活用されています。ただ、不動産には個別性があり、必ずこの価格水準や価格帯になるとは限りません。このような簡便法は、大方の目安の価格を把握する方法です。

 

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