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 II 不動産鑑定評価の基本 ぜひ知っておきたい不動産の行政法規

1.不動産に関する行政法規が評価に影響を与える

 不動産に関する行政法規の数は約180あるといわれています。不動産の売買にあたり、宅地建物取引業者の重要事項の説明では、不動産の関連法規のうちの都市計画法や建築基準法等のほんの一部の制限が説明されるにすぎません。これは、消費者保護のため、土地や建物に関する重大な制限をあらかじめ説明することにより、不動産購入後のトラブルを防止するのが目的です。

 不動産はその個別性が強く、この世に同じものは存在しません。このため、不動産という特殊な価格の形成があります。

 また、どのような土地にでも住宅が建築できるわけではありません。市街化調整区域では、原則として住宅が建築できません。これが、代表的な不動産に関する行政法規の規制です。

 市街化調整区域の土地売買そのものは、何ら規制されていません。斜面の傾斜が45度もある崖地でさえ売買できます。住宅の敷地として、崖地の売買そのものは何ら規制されていないためです。不動産の詐欺事件や原野商法は跡を絶つことがありません。

 不動産の評価では、どうしても不動産に関する行政法規の知識が必要となります。この規制について、つまり不動産に関する行政法規の内容についてQ&Aの形で見ていくことにしましょう。

 

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