目次 Q6


 IV 貸倒引当金(2)――個別評価金銭債権に係る引当て


Q6 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金と
一括評価金銭債権に係る貸倒引当金との関係

Question
 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入額に繰入限度超過額があり、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入額が繰入限度額に達していない場合の両者の貸倒引当金の繰入額の計算上留意すべき取扱いに関してご教示ください。


Answer


 法人税基本通達11−2−1の2においては、法人税法第52条第1項(貸倒引当金)に規定する個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額の計算と同条第2項に規定する一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額の計算は、それぞれ別に計算することとされていることから、たとえば、個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入額に繰入限度超過額があり、他方、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入額が繰入限度額に達していない場合であっても、当該繰入限度超過額を当該一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入額として取り扱うことはできないことに留意する、とあります。

 平成13年度税制改正における貸倒引当金の改正により、法人税法第52条第1項の個別評価金銭債権に係る貸倒れの見込額として、貸倒引当金勘定に繰り入れた金額のうち損金に算入される額と同条第2項の一括評価金銭債権に係る貸倒れの見込額として貸倒引当金勘定に繰入れた金額のうち損金に算入される額とが別個に定められました。

 すなわち、個別評価金銭債権、一括評価金銭債権各々別個に貸倒れの見込額として貸倒引当金勘定に繰り入れた金額のうち、各々所定の繰入限度額に達するまでの金額を損金の額に算入するということですから、本通達のとおり、たとえば個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入額に繰入限度超過額があり、他方、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入額が繰入限度額に達していない場合であっても、各々別個に損金算入額を計算すべきであり、両者を通算 して計算することはできません。

 なお、当初個別評価金銭債権として認識していたものを、その要件を満たさなくなったことにより一括評価金銭債権として再認識する場合は、当該金銭債権に係る繰入額は一括評価金銭債権に係る繰入額として再計算することとなります。

 

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