Q5 |
|
事業承継の選択肢 |
事業承継といっても様々な選択肢があると思いますが、その選択肢として考えられるものを教えてください。 |
事業承継の選択肢としては、経営者の死亡後、事業を相続することによる相続承継、親から子供へ生前に事業を引き継ぐ生前承継、営業譲渡や合併等の第三者承継が考えられます。 |
[1]経営者の死亡後、事業を相続したことによる承継 相続が発生した場合、最も負担になると思われるのは相続税の問題です。医療法人の場合、医療法により利益の配当が禁止されているため、歴史のある医療法人ですと相続財産となる出資持分の評価が高くなることが多いようです。医療法人の理事長について相続が2回発生すれば病院は潰れるともいわれています。 このように多額な相続税の負担により、医療法人の経営が危ぶまれるような事態は避けなければなりません。そのためには、生前に相続対策を行うことが円滑な事業承継を行うポイントとなります。 [2]親族間による生前承継 医師である子供に承継するのであれば、その時期を決めて承継の意思を伝え、心の準備をさせておかなければなりません。子供が現在は勤務医であれば、雇用者側から経営者側に移ることになるわけですから、承継者である子供自身の意識改革も行っていく必要があるでしょう。 もし、事前に意思を伝えず承継の時期が遅れることになるようであれば、親はその時期まで気力・体力を維持することが必要です。意欲がない医師がいる病医院の雰囲気は総じていいものではありません。そうであれば当然、経営的にも打撃を受けることになるでしょう。 また、承継を行う時期は、開業以来相当の期間が経過した後と予想されます。そのため、病医院の建物は老朽化し、子供は承継の条件として建替えを要求してくることも考えられます。その際には、建築資金など事前の準備について計画性を持って進めることが必要になります。 [3]第三者に対する承継 経営者の親族に医師がいない場合や後継者が見つからない場合には、病医院をたたむか、第三者に譲り渡すかという選択を迫られます。 病医院を第三者に譲り渡す場合、承継相手を見つけ出すことが一番の問題ですが、そのほかにも、例えば自己所有の土地・建物について、譲渡か賃貸か、それぞれの金額はどのように算定するか、それに伴う税金はどの程度生じるかなど様々な問題が発生してきます。 それらを事前にシミュレーションし、有利な方法を検討したうえで実行に移すという綿密な計画が必要になってきます。 【事業承継の選択肢】 |