Q1 |
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特定健診・特定保健指導費用の医療費控除 |
特定健診・特定保健指導に係る費用は、医療費控除(所得税)の適用はあるのですか。 |
適用されます。平成20年度税制改正において、特定保健指導のうち一定の積極的支援の対象者が負担する特定健診・特定保健指導に係る費用は、医療費控除の対象とされました。 |
[1]改正後の取扱い 従前の医療費控除制度においては、いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用は、その健康診断により重大な疾病が発見され、かつ引き続きその疾病の治療をした場合にのみ、医療費控除の適用の対象となりました。 しかし、平成20年度税制改正によって、特定健診・特定保健指導について、医療費控除の対象範囲に、特定保健指導のうち一定の積極的支援の対象者が負担する特定健診・特定保健指導に係る費用を追加することとされました。図解すると次のようになります。 【特定健診・特定保健指導の流れと医療費控除の適用対象】
[2]医療費控除制度の概要 所得税額の計算上、本人または本人と生計を一にする配偶者やその他親族のために医療費を支払ったときに控除されます。控除額の計算式は次の算式のとおりとなります。 [3]医療費控除を受けられる者の具体的な要件 医療費控除を受けられる者については、特定保健指導を受けた者のうち、日本高血圧学会(血圧測定)、日本動脈硬化学会(血中脂質検査)または日本糖尿病学会(血糖検査)の診断基準を満たす者とされています。 [4]医療費控除の対象となる自己負担額 特定健康診査のための費用(自己負担額)は医療費に該当しませんが、その特定健康診査の結果が所得税法施行規則第40条の3第1項第2号に掲げる状態と診断されたうえで、引き続き特定健康診査を行った医師の指示に基づき特定保健指導が行われた場合には、その特定健康診査のための費用(自己負担額)は医療費控除の対象となる医療費に該当します。 なお、特定保健指導に基づく運動そのものの実践の対価や食生活の改善指導を踏まえた食品の購入費用は、医師の診療等を受けるために直接必要な費用や治療または療養に必要な医薬品の購入の対価に該当しないことから、医療費控除の対象となりません。 [5]申告方法 (1) 確定申告書に添付する書類 医療費控除の適用を受けるには、特定保健指導を行った実施機関により発行された領収書とその特定保健指導に係る特定健康診査の自己負担分の領収書を確定申告書に添付しなければなりません。 領収書は、特定保健指導(及び特定健康診査の受診)に係る費用(自己負担額)について発行するものとされています。
(2) 特定保健指導の領収書に記載されているべき必要な事項 控除の対象となるためには、上記(1)の領収書のうち、特定保健指導に係る費用(自己負担額)の領収書に次の事項が記載されていることが必要となります。
[6]特定健診とは… 特定健診(特定健康診査)は、内臓脂肪型肥満に着目した、生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診です。健診項目には、内臓脂肪の蓄積状態を診るために腹囲の計測が追加されるなど、特定保健指導の対象者を的確に抽出するための検査項目が導入されます。 対象者は40歳以上75歳未満の加入者で、被保険者だけでなく被扶養者も対象となります。 特定健診の結果をもとに、内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目して、リスクの高さに応じて、レベル別(動機付け支援、積極的支援)に特定保健指導の対象者の選定を行います。これを「階層化」といいます。 なお、特定健診を受けた人には、全員に健診結果に基づいて一人ひとりに合った「情報提供」が、結果の通知と同時に行われます。 [7]特定保健指導とは… 特定保健指導とは、階層化により「動機付け支援」「積極的支援」に該当した人に対してのみ実施される指導のことをいいます。
特定保健指導の目的は、対象者が自分の健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取組みを継続的に行うことができるようにすることにあり、対象者が健康的な生活に自ら改善できるよう、様々な働きかけやアドバイスを行います。 [8]特定健診・特定保健指導の目的 これまでの健診・保健指導は「病気の早期発見・早期治療」を目的としていました。特定健診・特定保健指導では内臓脂肪型肥満に着目し、その要因となっている生活習慣を改善するための保健指導を行い、生活習慣病の有病者・予備群を減少させること(病気の予防)を目的としています。生活習慣病は自覚症状がないまま進行するため、健診は個人が生活習慣を振り返る絶好の機会と位置づけ、行動変容につながる保健指導を行います。 【特定保健指導に係る費用、領収書サンプル】
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