会計事務所経営に役立つ情報
(2012年3月)

「昭和型会計事務所」にはパラダイムの転換が必要

 ここ20年で「中小企業は2割減」、「税理士登録者数は1.5倍」でご覧いただいたように、データは税理士の競合が激化していることを示している。

 しかし、簡単に読み取これらの統計を見ても何も感じない会計事務所も少なくないと思われる。こうしたタイプは「昭和型の会計事務所」とカテゴライズできる。次のような思い込みを抱いている傾向にある。

1.売上が3000万円もあれば、もう十分だ
2.営業なんかしなくても、顧問先は少しずつ増える
3.お客さんを積極的に増やさなくても、食べていける
4.顧問先からの紹介があるので、なんとかなる
5.顧問料は年々少しずつ上がるものだ

 こうした事務所に考えていただきたいのはパラダイムの転換。簡単にいうと、思考の枠の外に出ることである。

 昭和型の会計事務所に共通している点は、税理士の仕事を「単なる手続き業務を行うこと」だと考えてしまっていること。以前はそうした考えでも、それなりに事務所を経営していけたかもしれないが、今は時代が変化している。どういうスタンスでお客様とかかわっていくのか、ミッションや方向性を考えることが大切。そのような考え方をベースに持っていないと、未来を築くことができない。

 企業競争はいつも同じルール、同じ武器で戦うわけではない。市場や競争の条件が変わったら、ルールや武器そのものを変えなくてはならない。