4.定期同額給与
 第19回 4−8 損金不算入となるパターンとその金額
掲載日:08/06/24

 定期同額給与に該当せず、損金不算入となるパターンを、いくつか例示としてあげます(いずれも3月決算法人)。

1)増額改定


 上記のようなケースの場合、支給額のすべてが損金不算入になるのではなく、改定後の増額部分のみが損金不算入になります。定期同額給与に該当しない改定事由による改定があった場合でも、ベースとなっている「根っこ」の部分を超える金額が「上乗せ支給」されているものと考えて、その超える部分の金額が損金不算入となります(平成18年12月公表の国税庁「役員給与に関する質疑応答事例」)。


2)減額改定


 上記のようなケースの場合、原則として改定前の定期給与のうち改定後の金額を超える部分が損金不算入になります。減額後は、その各支給時期における支給額が同額である定期給与を支給しているため、本来の定期同額給与部分を減額後の金額とみて、減額改定前の給与のうち、これを超える部分を損金不算入とします。


3)特定月のみ増額している場合


 上記のようなケースの場合、支給額が突出している月以外は定額であるため、その突出する部分の金額が損金不算入となります(ただし、継続的に供与される毎月おおむね一定の経済的利益に該当するもの、事前確定届出給与または利益連動給与に該当するものを除く)。


4)期中複数回の改定


 (1) 初めの3ヶ月間は、通常改定による定期同額給与に該当し、損金算入。
 
 (2) 通常改定後については、2回目の改定となる減額改定後の定期給与を超えている部分の金額(通常改定後から減額改定されるまで期間の給与のうち、減額改定後の給与を超える部分)が損金不算入になるものと考えられます。


5)一時的に減額した場合(やむを得ない事情がない場合)


 一定期間減額をせざるを得ないような相当な事情がなく、ある特定の期間のみ給与を減額したケースで、減額前・減額後の給与について、減額時の給与を超える部分の金額が損金不算入になるものと考えられます。(もちろん、やむを得ない事情もなく、このような支給をするケースは考えにくい)


前へメニューへ次へ
Copyright 2001-2008 Kaneko Accounting Office All rights reserved.
Copyright 著作権マーク SEIKO EPSON CORPORATION 2008, All rights reserved.