目次 付録 1


付録 社会保障と税の一体改革素案による税制抜本改革

 平成24年1月6日に政府・与党社会保障改革本部で決定された「社会保障・税一体改革素案」では、次のような税制改正項目が挙げられています。今後の税制改正の動向に十分ご注意ください。


1 消費課税

【1】消費税

(1)税収の使途

 消費税の収入については、別に法律で定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとされます。


(2)税率の引上げ

 消費税の税率が次のとおり引き上げられます。

  消費税 地方消費税 合 計
平成26年4月1日 6.3% 1.7% 8%
平成27年10月1日 7.8% 2.2% 10%
(注1)  上記の改正は、平成26年4月1日(平成27年10月1日)以後に行われる資産の譲渡等及び保税地域から引き取られる外国貨物について適用されます。
(注2)  法律成立後、引上げにあたっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応できるよう、消費税率引上げ実施前に「経済状況の好転」について、名目・実質成長率、物価動向など、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、引上げの停止を含め所要の措置を講ずるものとする旨の規定が設けられます。
(注3)  消費税に係る地方交付税率(現行29.5%(消費税率換算1.18%))については、平成26年度から22.3%(消費税率換算1.40%)、平成27年度から20.8%(消費税率換算1.47%)、平成28年度から19.5%(消費税率換算1.52%)とされます。


(3)課税の適正化

イ 事業者免税点制度

(イ) 資本金1,000万円未満の新設法人に関する免税点制度について、5億円超の課税売上高を有する事業者が直接又は間接に支配する法人(親族、関連会社等を含めた資本の持分比率が50%超の会社)を設立した場合については、当該設立された法人の設立当初2年間については、課税事業者とするなど現行の資本金1,000万円以上の新設法人に対する措置と同様の措置が講じられます。
(ロ) (イ)に該当することとなった場合の届出書の提出などについて所要の措置が講じられます。
(注)  上記の改正は、平成26年4月1日以後に設立される法人について適用されます。

ロ 簡易課税制度

 簡易課税制度のみなし仕入率については、必要な見直しを行うものとされます。

ハ 中間申告制度

(イ) 中間申告義務のない直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含む。)が60万円以下の事業者のうち、自主的に中間申告を行う意思を有する事業者について、任意の中間申告(年1回・半期)を可能とする制度が導入されます。
(注)  上記の改正は、平成26年4月1日以後に開始する課税期間に係るものについて適用されます。
(ロ) 消費税の中間申告(年1回、3回又は11回)に係る確定消費税額の最低額については、消費税額と地方消費税額を合わせた額を現行の最低額と同一とすることを基本として調整されます。


【2】地方消費税

(1)地方消費税収の使途

 地方消費税収(現行分の地方消費税を除く。)については、その使途が明確化されます(社会保障財源化)。


(2)地方消費税の税率等

 地方消費税の税率は、【1】(2)のとおりとされます。

 引上げ分の地方消費税収の都道府県と市町村の配分については、現行の1:1を基本とし、また、引上げ分の地方消費税に係る市町村交付金については、人口による配分など社会保障財源化に適した交付基準が検討されます。

 

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