目次 I-2


2 周期の短い修理・改良等の費用はどうする

過去に実績がない場合の修繕費の処理
 B社は3年前、新製品製造のため、新たに機械を購入しましたが、この機械のメーカーから大体2年半ごとに、修理・改良等が必要であると言われていました。
 また、子会社であるC社でも、同じ機械を、B社と同じような条件のもとで以前から使用しており、C社でもおおむね2年半に一度、修理・改良等を行っています。
 B社は、購入後2年半経過した当期に、この機械に修理・改良等を行い、その費用100万円を修繕費として処理しています。

調査官の指摘
 おおむね3年以内の期間を周期として行われる修理・改良等については、修繕費として処理できます。
 しかし、B社における、この機械の修理・改良等は、今回が初めてであり、B社での修理・改良等の過去の実績がない以上、今回の修理・改良等のうち改良部分については資本的支出として処理すべきです。

会社の言い分
 我が社での、この機械に対する過去の修理・改良等の実績はありませんが、子会社C社の実績等を参考に、おおむね3年以内の期間の修理・改良等として、修繕費処理したものです。



税務判断のポイント

 調査官の指摘は誤りで、修繕費として処理できます。

 調査官の指摘にもあるように、おおむね3年以内の期間を周期として行われる修理・改良等については、周期の短い費用として、形式的に支出額の全額を修繕費として処理できます。
 この場合、通常は、過去の実績が必要ですが、本事例のように、過去の実績がない場合でも、子会社等の実績からみて、おおむね3年以内の期間を周期として修理・改良等が行われることが明らかな場合には、修繕費として処理することができます。

税理士のアドバイス

 おおむね3年以内の期間を周期として行われる修理・改良等については、修繕費処理が可能です。
 調査の際は、説明資料として、実績(本事例の場合は子会社等の実績)があることを証する書類が必要ですが、その実績を立証できる修理・改良等の記録があれば十分で、その立証のために特別な書類を作成することは必要ないとされています。

【参考法令】  法基通7−8−3(少額又は周期の短い費用の損金算入)

 

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