目次 1-3


1−3 法人税法における資本金等の額の概要

Question  法人税法における資本金等の額とはどのようなものですか。


Point
 会社法の資本金と法人税法の資本金の額又は出資金の額は同じ内容です。しかし、会社法の資本剰余金は払込金銭等のうち資本金の額に組み入れない資本準備金と自己株式処分差額や合併差益からなるその他資本剰余金であるのに対し、法人税法の資本剰余金は下記のとおり詳細に規定されています。


Answer


 法人税法上、資本金等の額は、資本金の額又は出資金の額と法人税法上の資本剰余金額からなっています。

 資本金の額又は出資金の額は、会社法第445条第1項にいう株主の払込資本又は会社法第578条の社員の出資の履行の額に該当します。

 一方、法人税法上の資本剰余金は、当該事業年度前の各事業年度の下記(1)から(12)までに掲げる金額から当該法人の事業年度前の各事業年度(以下「過去事業年度」といいます。)の下記(13)から(19)までに掲げる金額の合計額を減算した金額に、当該法人の当該事業年度開始の日以後の下記(1)から(12)までに掲げる金額を加算し、これから当該法人の同日以後の下記(13)から(19)までに掲げる金額を減算した金額との合計額とします(法政令8)。

(1)  株式(出資を含む。)の発行又は自己の株式の譲渡をした場合(下記の[1]から[9]を除く。)に払込まれた金銭の額及び給付を受けた金銭以外の資産の価額その他の対価の額に相当する金額のうち、資本金又は出資金として計上しなかった金額。

  [1]  新株予約権の行使によりその行使をした者に自己の株式を交付した場合。

  [2]  取得条項付新株予約権又は取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債の取得の対価として自己の株式を交付した場合。

  [3]  合併、分割、適格現物出資、株式交換又は株式移転により被合併法人の株主等、分割法人、現物出資法人、株式交換完全子法人の株主又は株式移転完全子法人の株主に自己の株式を交付した場合。

  [4]  適格現物出資に該当しない現物出資により現物出資法人に自己の株式を交付した場合。

  [5]  適格分社型分割又は適格現物出資により分割承継法人又は被現物出資法人に自己が有していた自己の株式を移転した場合。

  [6]  株式交換又は株式移転により自己が有していた自己の株式を株式交換完全親法人又は株式移転完全親法人に取得された場合。

  [7]  組織変更により株式を発行した場合。

  [8]  取得請求権付株式、取得条項付株式又は全部取得条項付種類株式でこれらの取得事由により取得の対価として自己株式を交付した場合。

  [9]  株主等に対して新たに金銭の払込み又は金銭以外の資産の給付をさせないで自己の株式を交付した場合。

(2)  新株予約権の行使によりその行使をした者に自己の株式を交付した場合のその行使に際して払い込まれた金銭の額及び給付を受けた金銭以外の資産の価額並びに法人の直前の新株予約権帳簿価額の合計額に相当する金額からその行使に伴う株式の発行により増加した資本金の額を減算した金額。

(3)  取得条項付新株予約権についての法人税法第61条の2第13項第5号に定める事由による取得の対価として自己の株式を交付した場合、法人のその取得直前の取得条項付新株予約権の帳簿価額に相当する金額からその取得に伴う株式の発行により増加した資本金の額を減算した金額。

(4)  協同組合等の法人が新たにその出資者となる者から徴収した加入金の額。

(5)  合併により移転を受けた資産(以下「移転資産」といいます。)及び負債(以下「移転負債」といいます。)の純資産価額から合併による増加資本金額等と当該合併の次[1]、[2]に掲げる区分に応じて定めた金額を減算した金額。

  [1]  適格合併  抱合株式の当該合併の直前の帳簿価額。

  [2]  非適格合併   抱合株式の当該合併の直前の帳簿価額に抱合株式と交付されるべき金銭及び金銭以外の資産の価額のうち法人税法にいう受取配当等の益金不算入の金額を加算した金額。

   ここでいう純資産価額は、当該株主等に交付した法人の株式、金銭並びに当該株式及び金銭以外の資産の合併時の価額の合計額をいいます。なお、合併に係る被合併法人の株主等に対する法人税法第2条第12号の8に規定する剰余金の配当等として交付した金銭その他の資産及び合併に反対する当該株主等に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除くものとし、みなし配当等に規定する抱合株式に交付されるべきこれらの資産を含みます。また、適格合併(第7章参照)の場合、被合併法人の適格合併の日の前日の属する事業年度終了時の移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額を減算した金額をいいます。増加資本金額等とは、合併により増加した資本金の額又は出資金の額並びに合併により被合併法人の株主等に交付した金銭並びにその金銭及び当該法人の株式以外の資産の価額の合計額をいいます。

(6)  分割型分割による移転資産及び移転負債の純資産価額から当該分割型分割による増加資本金額等を減算した金額となります。ここでいう純資産価額は、分割型分割により分割法人に交付した当該法人の株式その他資産の分割型分割時の価額の合計額をいいます。適格分割型分割(第8章参照)に該当しない分割型分割のうち法人税法第62条の8第1項に規定する非適格合併等に該当しないものにあっては、分割型分割時の移転資産の価額から移転負債の価額及び当該分割型分割により交付した法人の株式以外の資産価額の合計額を減算した金額とします。適格分割型分割の場合にあっては、適格分割型分割に係る分割法人の資本金等の額に対し下記(15)の規定により計算した金額に相当する金額とします。また、増加資本金額等は、分割型分割により増加した資本金の額又は出資金の額並びに分割型分割により分割法人に交付した金銭並びに金銭及び法人の株式以外の資産の価額の合計額をいいます。

(7)  分社型分割による移転資産及び移転負債の純資産価額から当該分社型分割による増加資本金額等を減算した金額となります。純資産価額とは、分社型分割により分割法人に交付した当該法人の株式その他の資産の分社型分割時の価額の合計額をいいます。適格分社型分割に該当しない分社型分割のうち法人税法第62条の8第1項に規定する非適格合併等に該当しないものにあっては、分社型分割時の移転資産の価額から移転負債の価額及び分割法人に交付した当該法人の株式以外の資産の価額の合計額を減算した金額とします。適格分社型分割の場合にあっては、分割法人の適格分社型分割直前の移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額を減算した金額とします。また、増加資本金額等とは、上記(6)に準じます。

(8)  適格現物出資により移転を受けた資産及び負債の現物出資法人の移転直前の帳簿価額から適格現物出資により増加した資本金の額又は出資金の額を減算した金額となります。

(9)  適格現物出資に該当しない現物出資により現物出資法人に交付した法人の株式の非適格現物出資時の価額から非適格現物出資により増加した資本金の額又は出資金の額を減算した金額となります。

(10)  株式交換により移転を受けた株式交換完全子法人の株式の取得価額から当該株式交換による増加資本金額等を減算した金額となります。増加資本金額等とは、株式交換により増加した資本金の額、株式交換により株式交換完全子法人の株主等に交付した金銭並びに金銭及び法人の株式以外の資産の価額並びに次に掲げる株式交換の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額をいいます。

  [1]  適格株式交換(第9章参照)の場合、株式交換完全子法人の適格株式交換により消滅した新株予約権に代えて法人の新株予約権を交付し、株式交換完全子法人のその消滅の直前のその消滅をした新株予約権の帳簿価額に相当する金額となります。
 
  [2]  適格株式交換に該当しない株式交換の場合、株式交換完全子法人の株式交換により消滅した新株予約権に代え、法人の新株予約権を交付した場合の新株予約権の価額に相当する金額となります。

(11)  株式移転により移転を受けた株式移転完全子法人の株式の取得価額から株式移転時の資本金の額及び株式移転により株式移転に係る株式移転完全子法人の株主に交付した法人の株式以外の資産の価額、並びに次に掲げる株式移転の区分に応じ、それぞれ次に定める金額の合計額を減算した金額となります。

  [1]  適格株式移転の場合、当該株式移転完全子法人の適格株式移転により消滅した新株予約権に代え、法人の新株予約権を交付した場合の株式移転完全子法人の消滅直前のその消滅した新株予約権の帳簿価額に相当する金額となります。

  [2]  適格株式移転に該当しない株式移転の場合、株式移転完全子法人の株式移転により消滅した新株予約権に代え、法人の新株予約権を交付した場合の当該新株予約権の価額に相当する金額となります。

(12)  資本金の額又は出資金の額を減少した場合、その減少した金額に相当する金額となります。

(13)  準備金(会社法445丸数字4(資本金の額及び準備金の額)に規定する準備金その他これに類するものをいいます。)の額、若しくは剰余金の額を減少して資本金の額若しくは出資金の額を増加した場合、その増加した金額、又は再評価積立金を資本に組み入れた場合、その組み入れた金額に相当する金額となります。

(14)  資本又は出資を有する法人が資本又は出資を有しないこととなった場合のその有しないこととなった時の直前における資本金等の額。

(15)  分割法人の分割型分割(適格分割型分割を除きます。)の日の前日に属する事業年度終了時(以下「期末時」といいます。)の資本金等の額に[1]に掲げる金額のうちに[2]に掲げる金額の占める割合を乗じて計算した金額となります。

  [1]  当該分割法人の期末時の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を控除した金額となります。

  [2]  当該分割法人の期末時の移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額を控除した金額となります。

(16)  資本の払戻し等に係る減資資本金額となります。減資資本金額は、資本の払戻し等直前の資本金等の額に下記の[1]に掲げる金額のうちに[2]に掲げる金額の占める割合を乗じて計算した金額をいいます。資本の払戻し等とは、法人税法第24条第1項第3号に規定する資本の払戻し及び解散による残余財産の一部の分配をいいます。

  [1]  資本の払戻し等の日に属する事業年度の前事業年度終了時の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を控除した金額。

  [2]  資本の払戻しにより減少した資本剰余金の額又は解散による残余財産の一部の分配により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額。
 
(17)  法人税法第24条第1項第4号から第6号までに掲げる事由(以下「自己株式の取得等」)が生じた場合の取得資本金額。取得資本金額とは、下記の場合に区分され、次に定める金額とします。なお、当該金額が自己株式の取得等により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額を超える場合、その超える部分の金額を減算します。

  [1]  自己株式の取得等をした法人が一の種類の株式を発行していた法人である場合、法人の自己株式取得等の直前の資本金等の額を直前の発行済株式数又は出資総数(自己株式を除きます。)で除し、これに自己株式の取得等に係る株式数を乗じて計算した金額。

  [2]  自己株式等の取得等をした法人が二以上の種類の株式を発行していた法人である場合、法人の自己株式取得等の直前の自己株式取得等に係る株式と同一の種類の株式に係る種類資本金額を直前の種類の株式(自己株式を除きます。)の総数で除し、これに自己株式の取得等に係る種類の株式数を乗じて計算した金額。

 ここでいう種類資本金額とは、(17)に規定する自己株式取得等の直前までのその種類の株式の交付に係る増加した資本金の額又は出資金の額及び上記(1)〜(11)までに掲げる金額の合計額をいいます。なお、自己株式取得等の直前までにその種類の株式に係る(15)〜(19)までに掲げる金額がある場合には、これらの金額を減算した金額とします(法政令8丸数字2)。

(18)  自己の株式の取得の対価の額に相当する金額です。なお、次に掲げる事由による取得にあっては、次に定める金額です。

 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配による被合併法人、分割法人、現物出資法人、又は被現物分配法人(被合併法人等)からの移転の場合、被合併法人等の移転の直前の帳簿価額に相当する金額。

(19)  資本の払戻し等に係る減資資本金額(当該資本の払戻し等の直前の資本金等の額にイに掲げる金額のうちにロに掲げる金額の占める割合を乗じて計算した金額をいう。)

   当該資本の払戻し等の日の属する事業年度の前事業年度終了の時の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額

   当該資本の払戻しにより減少した資本剰余金の額又は当該解散による残余財産の一部の分配により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額(当該減少した資本剰余金の額又は当該合計額がイに掲げる金額を超える場合には、イに掲げる金額)

 

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