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2 登記

(1)一般社団法人と登記

 一般社団法人は登記によって成立し、株式会社と同様に登記事項について変更があった場合には、変更登記の後でなければ善意の第三者に対抗できないとされていることから、設立後も役員変更登記など所要の登記手続を行っていく必要があります(一般社団法299丸数字1)。登記懈怠についても株式会社と同様に過料の制裁が定められているので注意が必要です(一般社団法342一)。

 一般社団法人の登記事項は「■一般社団法人の登記事項一覧」のとおりです。これらの事項に変更が生じた場合には、変更が生じた日から2週間以内に登記を行う必要があると認識しておいてください(一般社団法303)。

■一般社団法人の登記事項一覧
目 的
名 称
事務所の所在場所
存続期間又は解散事由について定款に定めがあるときは、その定め
理事の氏名
代表理事の氏名及び住所
理事会設置一般社団法人であるときは、その旨
監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名
会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称
10 一時会計監査人を置いたときは、その氏名又は名称
11 役員等の責任の免除について定款に定めがあるときは、その定め
12 外部役員等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
13 12の定款の定めが外部理事に関するものであるときは、理事のうち外部理事であるものについて、外部理事である旨
14 12の定款の定めが外部監事に関するものであるときは、監事のうち外部監事であるものについて、外部監事である旨
15 決算書類のインターネット開示をする場合には、そのウェブページのURL
16 公告方法
17 公告方法が電子公告であるときはそのウェブページのURL及び予備公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め


(2)登記に関する法令

[1]一般社団法

 一般社団法人の登記に関する実体的規律は、一般社団法の「第6章 雑則」の「第4節 登記(299〜330条)」において登記の効力、登記事項、登記すべき場合、登記期間等が一括して規定されています。株式会社も、会社法「第7編 雑則」の「第4章 登記(907条〜938条)」に、登記の効力等について一括して規定しており、登記に関する規律の仕方は類似しているといえます。

[2]一般社団法人等登記規則

 一般社団法人の登記手続に関する細目については、一般社団法人等登記規則(平成20年8月1日法務省令第48号)に規定されています。一般社団法人等登記規則では、第3条において、株式会社についての登記手続の細目を定めている商業登記規則を大幅に準用しており、申請書の記載や印鑑の届出等登記に関する細目についても株式会社と同様に考えることができます。

[3]基本通達

 一般社団法施行に伴い登記に関する基本通達として「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律等の施行に伴う法人登記事務の取扱いについて(通達)」が発出されました(平成20年9月1日民商2351号通達)。この通達は、一般社団法人の登記手続について詳細を定めるものですが、登記事項証明書の記載例が多く掲載されるなど、一般社団法人制度を理解するうえで有用なものです。

 

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