目次 Q3-4


役員社宅の家賃評価

Question3-4

 役員社宅についての賃貸料相当額は、どのようにして評価するのですか。具体的な計算方法を教えてください。


Answer

 役員社宅の賃貸料相当額は、原則として次の(1)により評価しますが、役員社宅であっても使用人社宅なみの小規模なものについては、(2)により評価し、それが社会通念上一般に貸与されている住宅と認められない、いわゆる豪華社宅に該当するものについては、(4)のとおりその住宅の利用につき通常支払うべき使用料(その利用の対価に相当する額)により評価します。


(1)  評価の原則

 その社宅((2)の特例の適用がある社宅を除きます。)が、自社所有のものであるか借上社宅であるかにより、次のように評価します(基通36―40)。

(1)  自社所有の社宅については、次の算式により計算した金額
(イ)
その年度の家屋の固定
資産税の課税標準額
×12% 木造家屋以外の
家屋については
10% ×

12
=純家賃相当額(月額)
(ロ)
その年度の敷地の固定
資産税の課税標準額
×6%×

12
=地代相当額(月額)
(ハ) 純家賃相当額(月額)+地代相当額(月額)=賃貸料相当額(月額)

(2)  借上社宅については、会社が支払う借上料の50%相当額と、その借上社宅について(1)により計算した金額とのいずれか多い方の金額。この場合、会社の支払う借上料の中に冷暖房費、水道光熱費その他家賃以外の個人的生活費用が含まれているときは、これらの費用は除いたところで借上料を計算します。
(注)  これらの個人的生活費用を会社が負担している場合は、給与として課税の対象となります。

(3)  社宅の敷地が借地である場合には、家屋につき(1)の(イ)により計算した家賃相当額に、敷地の借上料の50%相当額とその敷地につき(1)の(ロ)により計算した地代相当額とのいずれか多い方の金額を加算した金額


(2)  小規模住宅の評価

 役員社宅であっても、その家屋の床面積が一定規模以下であるものについては、(1)の評価基準を適用しないで、従業員の場合と同様、次の算式によって評価します(基通36―40、41)。

 なお、この一定規模以下の家屋とは、木造家屋にあっては132平方メートル 以下のものをいい、木造以外の家屋にあっては99平方メートル以下のものをいいます。

(イ)
その年度の家屋の固定
資産税の課税標準額
×0.2%+ 12円×床面積(平方メートル)

3.3平方メートル
=純家賃相当額(月額)
(ロ)
その年度の敷地の固定
資産税の課税標準額
×0.22%=地代相当額(月額)
(ハ) 純家賃相当額(月額)+地代相当額(月額)=賃貸料相当額(月額)

 この場合において、その家屋が2以上の世帯を収容する構造のもの(いわゆるマンション、アパート等)であるときは、1世帯として使用する部分の床面積によって、一定規模以下であるかどうかを判定します。


(3)  評価の特例

 以上が基本的な評価の方法ですが、役員社宅については、そのうちの一部を会社の業務のために使用することが比較的多いと考えられます。

 また、単身で地方の支店、工場等に赴任した役員については、その提供された家屋のうちの一部しか使用していない場合が多いと考えられます。

 そこで、これらの役員社宅については、前に述べた(1)及び(2)の計算によって評価した「賃貸料相当額」に、その使用の状況を考慮して調整を加えることになっています(基通36−43)。

 更にもう一つ、プール計算の特例があります。このプール計算とは、会社が実際に徴収している家賃の額が「賃貸料相当額」以上かどうかを判定する場合に、個々の社宅についてそれぞれ個別に判定することに代えて、全部の社宅をまとめたところによって判定しようというものです(基通36−44)。このプール計算を行う場合には、適宜の明細表等を作成しておくのがよいでしょう。


(4)  豪華社宅の評価

 役員社宅のうち、その床面積が240平方メートルを超えること、その住宅の取得価額、支払賃貸料の額、内外装その他の設備の状況等を総合勘案して社会通念上一般に貸与されていない、いわゆる豪華社宅と判定されるものについては、前記(1)〜(3)の取扱いによらず、その住宅の利用につき通常支払うべき使用料の額により評価することとされています。

 

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