目次 VI-Q2


Q2 取引先に支払う情報提供料

Question
 当社では、下請業者等の取引先から工事に関する情報提供を受けた場合、1件当たり一定金額を謝礼金として支払っています。この謝礼金は税務上どのような取扱いになりますか?


Answer


 原則として、交際費等に該当しますが、一定の要件を満たせば、交際費等以外の損金として処理することができます。

 法人が、取引に関する情報の提供または取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供を行うことを業としていない者に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合には、税務上は、原則として、交際費等に該当します。

 ご質問の謝礼金も、下請業者等の取引先は情報提供を業としていない者と考えられますから、原則として、交際費等に該当します。

 ただし、謝礼金の支払いが、次のすべての要件を満たしている場合には、その支払いに要した費用は、交際費等以外の損金として扱われます。

 (A)  その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること

 (B)  提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること

 (C)  その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること

 なお、上記にあるあらかじめ締結された契約に基づくものであることとは、必ずしも契約書の作成を要するものではなく、情報提供をする者があらかじめ知ろうとすれば知ることができる状態になっていればよいと考えられます。したがって、下請業者等の取引先との間で、契約書や覚書等を作成しておくことが無難と思われます。また、支払金額が恣意的にならないようにする必要がありますから、ご質問にあるように1件当たりいくら等の金額を上記契約書等に明記しておくことが必要です。

 なお、消費税の取扱いですが、対価性の認識ができないものについては、課税仕入には該当しませんが、あらかじめ定められた契約書等に基づく場合であれば、課税仕入に該当すると考えます。

 

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