目次 II-1


II.交際費


1 交際費等の損金不算入制度の概要

 法人が支出する交際費等については、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する各事業年度の場合、事業年度終了日における資本または出資の金額(以下、期末資本金という)により、次の通り規定されています。

期末資本金 損金不算入額
1億円超 支出交際費等の額の全額
1億円以下 支出交際費等の額のうち、定額控除限度額に達するまでの金額の10%相当額が、また定額控除限度額を超える部分の金額はその全額
なお、定額控除限度額とは、400万円にその事業年度の月数を乗じ、これを12で除した金額をいいます。

 これを算式で表すと次の通りになります。

  期末資本金:1億円超

   損金不算入額=支出交際費等の額


  期末資本金:1億円以下
   損金不算入額=支出交際費等の額 − 支出交際費等の額

400万円×その事業年度の月数/12
 
のうちいずれか少ない額×90%

   (月数は、暦に従って計算し、1月未満の端数を生じたときは1月とします)

 以上を要するに、現行制度では、交際費等については、原則として、その全額が損金不算入となりますが、期末資本金が1億円以下の法人については、例外的に、その一部を損金として認めているといえます。

 期末資本金が1億円以下の法人について、例外的規定を設けているのは、個人事業主については交際費を必要経費として認めない規定はないこととの平仄をとるため、小規模法人は商取引上弱者の立場にあるため厳しい経済環境において大企業に対抗して経営していくには交際費についても余分に必要であるため、などといわれていますが、多分に政策的な意味合いが強いといえるでしょう。

 

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