目次 I



 友人から100万円貸してほしいと頼まれました。簡単な借用書ではなく、利息のとりきめもして、きちんとした契約書を作成したいのですが、どうしたらよいでしょうか?

A:
 利息や返済時期を明確にすべきでしょう。分割で返済してもらうのなら返済期間および、返済期をすぎた場合の損害金についても定めておく必要があります。


【金銭消費貸借契約書サンプル】


金銭消費貸借契約書


貸主(甲)○○○○
借主(乙)○○○○

 甲と乙は、次の通り金銭消費貸借契約を締結した。

第1 条 甲は乙に対し、本日、金100万円を貸付け、乙はこれを受領した。
第2 条 乙は、甲に対し、前条の借入金100万円を平成○○年○○月から平成○○年○○月まで毎月末日限り金10万円宛分割して、甲方に持参して支払う。
第3 条 利息は年1割とし、毎月末日限り当月分を甲方に持参して支払う。
第4 条 乙は、期限の利益を失ったときは、以後完済に至るまで、甲に対し、残元金に対する年1割4分の割合による遅延損害金を支払う。※1
第5 条 乙は、次の事由の一つが生じた場合、当然に期限の利益を失い、直ちに元金から既払い分を控除した残額及び未払利息を支払う。※2
  (1)第2条の分割金又は第3条の利息を1回でも期限に支払わないとき
  (2)他の債務につき仮差押、仮処分又は強制執行を受けたとき
  (3)破産、民事再生又は会社更生手続開始の申立を受けたとき
  (4)乙の振出、裏書、保証にかかる手形・小切手が不渡となったとき
  (5)乙が甲に通知せずに住所を変更したとき

 上記の金銭消費貸借契約を証するため、本契約書2通を作成し、各当事者署名押印のうえ、各1通を所持する。

 平成○○年○○月○○日

    貸主(甲)住所
氏名

          印
    借主(乙)住所
氏名

          印




※1  利息制限法は、金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定についても、その賠償額の元本に対する割合が、利息制限法1条に規定する率の1.46倍を超えるときは、その超過部分を無効としています(利息制限法4条)。

※2  消費貸借の目的物の返還時期については既述のとおりです。借主は、期限までは返さなくても良いという利益を与えられていますが、貸主にとって、返還時期がきたときに借主が実際に返還してくれるのだろうかと不安を感じるような事態が発生した場合に、貸主としては期限まで手をこまねいて待っているわけにはいきません。そこで、期限の利益の喪失約款を入れることが一般的です。

 

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