目次 II−2−5


2−5 税額計算 Tax rate(米国市民又は米国居住者)

 税額計算は、課税所得金額に適正な税率を乗じて計算します。このほかに、ネット・キャピタルゲインのように特別な計算を行うものがあります。


1.通常の税額計算

 通常の税額計算は、課税所得金額に申告ステイタスにより決定された税率を適用して計算します。所得税率は、以下の算式の通り超過累進税率になっています。また、課税所得金額が$100,000未満の場合はTax Tableにより、$100,000以上の場合は「税率の速算表」Tax Rate Schedulesにより計算します。


2.特別な税額計算

 特別な税額計算が行われる主な所得は、以下の通りです。

 (1)ネット・キャピタルゲイン

 (2)ネット・キャピタルゲインと同様の税率で課税される適格配当

 (3)農業・漁業所得

 (4)18歳未満の子女の$1,700(2007年度)を超える投資所得

 (5) 外国勤労所得の除外もしくは外国住居費の除外Foreign earned exclusion or the housing exclusion


・キャピタルゲイン課税とは

 個人的目的(例:自宅)、娯楽(例:自動車)、投資目的(例:株式や公社債。事業となるものは除きます)で所有されている資産が、キャピタル資産です。そして、その資産を譲渡した場合に発生する譲渡損益が、キャピタルゲイン・ロスと呼ばれます。

 キャピタルゲイン・ロスは、そのキャピタル資産の保有期間が1年超の場合は長期に、1年以下の場合は短期に区分されます。課税方法は、長期と短期ごとにゲインとロスを通算します。その後に、長期と短期を通算しネット・キャピタルゲイン・ロスを算出します。

 (1) ネット・キャピタルゲイン・ロスが短期キャピタルゲインの場合
 短期キャピタルゲインは、他の所得と合算されて通常の税率で課税されます。

 (2) ネット・キャピタルゲイン・ロスが長期キャピタルゲインの場合
 長期キャピタルゲインは、優遇税率により課税されます。

 (3) ネット・キャピタルゲイン・ロスが短期・長期キャピタルロスの場合
 キャピタルロスのうち、最高$3,000(夫婦別申告$1,500)の控除をとることができ、控除できないロスは翌年以降に繰り越されます。

 

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