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7 時効とは

 時効は、時の経過によって権利の取得、消滅をもたらす制度である。時効には2種類あって、権利を取得するのを「取得時効」、権利が消滅するのを「消滅時効」という。時効の存在理由としては以下の説明がなされる。

 永年事実状態が継続すれば、社会はそれを正当なものと信頼し、そのうえに法律関係を積み重ねることにもなり、それを後日覆すことは法的安定性を害することになるし、また時の経過により真実確認のための証拠が散逸してしまうことにもなり、さらに永年権利行使をせず、いわば権利のうえに眠るような者は保護する必要がない、ということである。

 以下、取引に関係する可能性の高い消滅時効について説明する。

 

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