目次 Q1-31


 Q1−31 相続税の申告、納付

 相続税の申告、納付の方法について教えてください。


  解  説  

[1]申 告

 被相続人から相続または遺贈により財産を取得した者のうち、納付すべき相続税額が算出される者は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に相続税の申告書を提出し、納税も済ませなければいけません。

 相続税の申告書の提出先は、被相続人の住所地が国内にある場合には、被相続人の死亡時における住所地が提出先となります。

 納付すべき相続税額がない場合であったとしても、配偶者の税額軽減や、小規模宅地等の評価減を適用することによって、相続税額がなくなる場合には、申告書の提出が必要となります。また配偶者の税額軽減や小規模宅地等の評価減を適用する場合には、遺言書の写しまたは遺産分割協議書の写し(印鑑証明書を添付)、その他一定の書類を申告書に添付しなければいけません。そのことからも特例を適用する見込みがある場合には、申告期限までに遺産分割を確定させる必要があるといえます。

 なお、財産が申告期限までに未分割であった場合には、相続人が法定相続分で相続したものと仮定して計算した相続税を、期限内に申告する必要があります。


[2]納 税

 相続税の納税の期限は、申告書の提出期限と同じく相続開始の日を知った日から10か月以内です。納期限までに納税をするのであれば、申告書の提出時期と異なっていても問題ありません。

 なお、未分割申告の場合には、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の評価減などが適用できないため、納税額が非常に多くなる可能性があります(その後、遺産分割協議が成立した場合には、当該分割の内容に応じて、更正の請求または修正申告をすることができます)。

 相続税は金銭による一括納付が原則ですが、相続税額が10万円を超え、かつ納期限までに金銭で納付することが困難であると認められる場合には、その困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、延納が認められています。また、延納によっても納税が困難であると認められる場合には、一定の相続財産から納付することができる、物納も認められています。

 

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