5.有価証券 |
|
(1) |
有価証券は、原則として、取得原価で計上する。 |
(2) |
売買目的の有価証券を保有する場合は、時価で計上する。 |
(3) |
有価証券の評価方法は、総平均法、移動平均法等による。 |
(4) |
時価が取得原価よりも著しく下落したときは、回復の見込みがあると判断した場合を除き、評価損を計上する。 |
|
【解説】
有価証券は、(3)にあるように、総平均法、移動平均法等により、期末の金額(取得原価)を計算します。
(1)にあるように、期末の有価証券は、原則として、取得原価で計上します。ただし、(2)にあるとおり、短期間の価格変動により利益を得る目的で相当程度の反復的な購入と売却が行われる、法人税法の規定にある売買目的有価証券は、時価で計上します(上場株式であることが想定されます。)。
取得原価で評価した有価証券については、時価が取得原価よりも著しく下落したときは、回復の見込みがあるかないかを判断します。ここで、(4)にあるように、回復の見込みがあると判断した場合を除き、評価損を計上することが必要となります。
著しく下落したときとは、個々の銘柄の有価証券の時価が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合には、該当するものと考えられます。有価証券の時価は、上場株式のように市場価格があるものについては容易に把握できますが、非上場株式については、一般的には把握することが難しいものと考えられます。時価の把握が難しい場合には、時価が取得原価よりも著しく下落しているかどうかの判断が困難になると考えられますが、例えば、大幅な債務超過等でほとんど価値がないと判断できるものについては、評価損の計上が必要と考えられます。
|