7.特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入 |
第35回 7−9 業務主宰役員給与額 |
掲載日:08/10/14
1)業務主宰役員給与額の範囲
この規定上「業務主宰役員給与額」には、債務の免除による利益その他の経済的な利益が含まれ、退職給与は除かれます。また、法人税法34条の規定における定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与に該当しないもの、過大役員給与および隠ぺい・仮装経理による損金不算入額は含まれません(法人税法施行令72条の2第11項)。
〔業務主宰役員給与額の範囲〕
2)基準所得金額計算における業務主宰役員給与額
基準所得金額における調整所得金額計算上の業務主宰役員給与額については、さらにこの規定(法人税法35条)による損金不算入額を含めない金額によります。
〔基準所得金額計算上の業務主宰役員給与額〕
3)形式基準による過大役員給与の取り扱い
業務主宰役員給与額には、法人税法34条の規定による損金不算入は含まれません。しかし、形式基準による過大役員給与(法人税法施行令70条1号ロ)がある場合、その損金不算入額(支給限度超過額)は、通常、役員全体の金額となるため、このうち業務主宰役員給与額に係る不算入額がいくらなのかを特定することができません。そこで、この場合には、単純に役員全体に対する支給総額に占める業務主宰役員給与額の割合によって、損金不算入額を計算することになります(法人税法施行令72条の2第12項)。
形式基準による支給限度超過額 |
× 業務主宰役員への支給額/形式基準の対象役員給与支給額の合計額 |
4)業務主宰役員に異動がある場合
また、基準期間に含まれる各事業年度の中途において、業務主宰役員に異動があった場合、業務主宰役員給与額は、期末業務主宰役員または期中業務主宰役員(期末業務主宰役員の親族等に限る。法人税法施行令72条の2第1項)の各事業年度の業務主宰役員であった期間において支給される給与の額となります(法人税法施行令72条の2第11項)。この場合、期末業務主宰役員または期中業務主宰役員に該当するかどうかは、基準期間に含まれる各事業年度の終了の時において判定することとされています(法人税基本通達9−2−57)。
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