6.利益連動給与
 第24回 6−1 利益連動給与の意義
掲載日:08/07/29

1)利益連動給与の概要

 同族会社に該当しない内国法人が、業務執行役員に対して支給する利益連動給与で一定の要件を満たすものは、損金算入が認められます(法人税法34条1項3号)。


2)対象法人

 支給する法人については、「同族会社に該当しない内国法人」であることが要件となっており、非同族会社に支配され、その支配権を除外すると同族会社とはならない「非同族の同族会社」も適用除外となります。そのため、持株会社制をとる100%子会社については、この制度の適用はないということになります。


3)業務執行役員

 支給対象者は業務執行役員となっており、業務執行役員とは、利益連動給与の算定方法の決定または手続の終了の日において業務を執行することとされている役員で、つぎに掲げるものをいいます(法人税法施行令69条6項)。

(1) 取締役会設置会社における代表取締役および代表取締役以外の取締役であって取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選任されたもの
(2) 委員会設置会社における執行役
(3) 上記(1)および(2)に準ずる役員

 (1)および(2)は、会社法において業務を執行する権限を持つ者として規定されている役員であり、取締役会設置会社において法人の業務を執行する取締役として選任されていない者、社外取締役、監査役および会計参与は、業務執行役員には該当しません(法人税法基本通達9−2−17)。

 (3)は、それ以外に業務執行権限を有する役員、つまり、取締役会設置会社以外の会社における取締役(会社法348条1項)、持分会社における業務執行社員(会社法590条1項)などが該当します。


 なお、この規定は、他の業務執行役員のすべてに対して要件を満たした利益連動給与を支給する場合に限るとされているので、一部の業務執行役員について要件を満たさない支給をしている場合や、一部の者には支給されないような場合には、すべての利益連動給与が損金の額に算入されないことになります。


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