4.定期同額給与
 第13回 4−2 改正にともなう整備
掲載日:08/05/13

1)旧通達の廃止

(1)期首に遡及して増額改定する場合

 3月決算法人のケースで、6月の定時株主総会において、役員給与を4月 1日に遡及して増額し、4月から6月分の3ヶ月分の遡及増加額を一括して支給するような場合、改正前においてはこの一括支給額の損金算入が認められていました(旧法人税法基本通達9−2−9の2)。

 このような遡及一括支給額は、改正後の定期同額給与には該当しないため、損金算入が認められなくなり、通達も廃止されています。

(改正前の取り扱い:3月決算法人の場合)



(2)歩合給の取扱い

 役員に対して固定給のほかに歩合給もしくは能率給または超過勤務手当(使用人兼務役員に対する超過勤務手当に限る)を支給している場合、これらが使用人に対する支給基準と同一の基準によっているときは、定期の給与として損金算入が認められていました(旧法人税基本通達9−2−15)。

 この通達も(1)と同じ理由から廃止されています。ただし、つぎの期間において支給する旧通達で定期の給与として損金算入が認められていた歩合給等については、経過措置として定期同額給与として取り扱うことが認められています(平成19年3月13日改正法人税基本通達の経過的取り扱い)。

 [1]平成18年4月1日以後最初に開始する事業年度

 [2] 上記[1]の翌事業年度に係る会計期間3ヶ月経過日までに行われる役員給与の改定まで(ただし[1]の期間においてもこの取り扱いを受けている場合に限る)

 これは、従来、役員への歩合給制度を取っていた法人について、規程整備 のための猶予期間を与えた措置です。


2)平成19年度の税制改正

 「臨時改定事由」による定期同額給与は、平成19年度の税制改正で追加されたものです。

 また、平成19年度税制改正前は、改定の前後で定期給与の額がそれぞれ同額であるものに限定されていましたが、改正によりこの限定はなくなり、改定の前後で区分し、改定前の各支給時期における支給額が同額である定期給与と、改定後の各支給時期における支給額が同額である定期給与について、ぞれぞれ毎に定期同額給与に該当するかどうかを判定することとなりました。


前へメニューへ次へ
Copyright 2001-2008 Kaneko Accounting Office All rights reserved.
Copyright 著作権マーク SEIKO EPSON CORPORATION 2008, All rights reserved.