2014年3月
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いつも当レポートをご愛読頂き、ありがとうございます。
今回は、3月18日に発表になりました平成26年の「地価公示」についてご紹介したいと思います。 |
地価公示とは、国土利用計画法による土地取引の規制を適正かつ円滑に実施するため、国土利用計画法施行令第9条に基づき、国土交通省が毎年1回全国の標準地(平成26年は全国23,330地点、うち原子力災害対策特別措置法により設定された警戒区域内の17地点は調査を休止)について不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、これを審査・調整し、一定の基準日(1月1日)における正常価格を公表するものです。これは、都道府県知事が行う都道府県地価調査(毎年7月1日時点)とあわせて一般の土地取引の指標ともなっています。
平成26年1月1日時点の地価公示によると、全国平均においては、住宅地、商業地ともに依然として下落しているものの、下落率は、住宅地で▲0.6%、商業地で▲0.5%と縮小傾向を継続しています。
一方で、三大都市圏平均においては、平成21年以降5年連続で下落を示していましたが、住宅地、商業地ともに上昇に転換しています。上昇地点数の割合は、全国的に大幅に増加し、特に三大都市圏では、住宅地の約1/2、商業地の約2/3の地点が上昇しています。
私たちの住む東京圏について見てみると、住宅地は平均で0.7%、商業地は平均では1.7%となっており、約3/4の地点が上昇となっています。特に東京都、埼玉県、千葉県は下落から上昇に転じ、神奈川県は昨年に引き続き上昇となっています。なお、半年毎の地価動向をみると後半上昇が強まっています。
また、東日本大震災で被災した地域に関しては、昨年に引き続き、宮城県の住宅地の上昇が目立ちます。宮城県は前年比2.5%の上昇となっており、全国で最も高い伸びとなっています。福島県の住宅地においても、上昇に転換しています。
地域別
変動率表
(単位:%) |
住宅地 |
商業地 |
平成24年 |
平成25年 |
平成26年 |
平成24年 |
平成25年 |
平成26年 |
全国 |
△2.3 |
△1.6 |
△0.6 |
△3.1 |
△2.1 |
△0.5 |
三大都市圏 |
△1.3 |
△0.6 |
0.5 |
△1.6 |
△0.5 |
1.6 |
東京圏 |
△1.6 |
△0.7 |
0.7 |
△1.9 |
△0.5 |
1.7 |
東京都 |
△1.0 |
△0.3 |
1.4 |
△1.9 |
△0.4 |
2.4 |
埼玉県 |
△2.3 |
△1.2 |
0.4 |
△2.6 |
△1.2 |
0.7 |
神奈川県 |
△1.2 |
△0.3 |
0.6 |
△1.1 |
0.3 |
1.5 |
千葉県 |
△2.2 |
△1.2 |
0.1 |
△2.2 |
△1.3 |
0.5 |
半年毎の
地域別変動率表 (単位:%) |
住宅地 |
商業地 |
平成26年
(H25.1.1〜H25.12.31) |
平成26年
(H25.1.1〜H25.12.31) |
前半 |
後半 |
前半 |
後半 |
全国 |
0.1 |
0.3 |
0.1 |
0.4 |
東京圏 |
0.6 |
0.6 |
0.8 |
1.2 |
次に、住宅地と商業地に分けて見ていきたいと思います。
≪住宅地≫
東京圏においては、0/7%の上昇へと転換しています。昨年と同様に、低金利や住宅ローン減税政策等により戸建住宅・分譲マンションともに需要は堅調であり、再開発地域を中心に地価が上昇している地域や横ばいの地域が見られますが、郊外の過疎化や高齢化が進んでいる一部の地域に関しては下落率が依然として高いままであり、二極化が進んでいます。
埼玉県では、さいたま市(1.4%)は上昇しているのに対し、羽生市(△2.4%)・行田市(△2.2%)・加須市(△1.7%)は前年同様に下落率が高いままです。神奈川県では二極化が特に顕著で、中原区(3.0%)・都筑区(3.0%)は上昇していますが、三浦市(△4.1%)・南足柄市(△2.8%)の下落率は高い状況のままとなっています。
≪商業地≫
東京圏においては1.7%の上昇へと転換しています。こちらも昨年と同様に、低金利や景況感の改善、不動産投資意欲の回復等や堅調な住宅需要を背景に、商業地をマンション用地として利用する動き等も見られる他、オフィス系の傾向として、事業継続計画やコスト削減等の観点から、耐震性に優れる新築・大規模オフィスへ業務機能を集約させる動きが見られ、こうしたオフィスが集積している都心一等地を中心に地価上昇が目立っています。
オリンピックの開催が決定したことや低金利が継続する中、海外投資家等の投資意欲が高まりを見せ、投資マネーが不動産市場に流入し、住宅地では消費税増税前の駆け込み需要等もあり、土地取引が活発になってきています。景気回復に伴い、駅から徒歩10〜15分位の場所でも、まとまった土地はマンション業者が買いに入る可能性もあり、広大地の判断が難しくなることも考えられます。
判断に迷われた際にはお気軽に当事務所にご相談ください。
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