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3)責任準備金が大きく必要となるということは?

 ここでの例は保険期間を10年としていたが,その期間を延ばし,例えば20年,30年…というように設定すればどうなるだろうか? それだけ加入した当初の年齢の死亡率と,保険期間の後半の死亡率の差は大きくなるため,将来のために財源としてとっておく金額は大きくなる。

 具体例をみてみよう(表1)。

表1 保険金1億円 50歳男性98歳満了の定期保険(経過年数別・一部抜粋)
経過期間 10 16 20 48
保険料 2,557,000 2,557,000 2,557,000 2,557,000 2,557,000 2,557,000 2,557,000
保険料累計 2,557,000 7,671,000 12,785,000 25,570,000 40,912,000 51,140,000 122,736,000
払戻金 1,340,000 4,470,000 7,640,000 15,700,000 36,350,000 45,370,000 0
返戻率 52.4% 58.3% 59.8% 61.4% 88.8% 88.7% 0%
(ある保険会社の例)

 50歳男性が98歳満了の定期保険に加入したケースでは,経過16年で保険料支払い累計に対して解約した場合の返戻金の返戻率は88.8%になっている。これをみると,16年経過段階では,保険料の大半が将来の財源として積み立てられていたことがわかる。

 定期保険の場合,保険期間の終了時点では,責任準備金は0になる。つまり,保険期間の後半になれば死亡率より低い保険料を平準保険料として設定しているわけだから,保険事故があった場合には,それまで財源としてとっておいた責任準備金とその時期の保険料による財源とを合わせて保険金を支払っており,保険期間の終期が近づくにしたがって責任準備金は少なくなり,最終的に0となって保険期間が終了するわけである。



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