タナベマネジメントレター

コンサルタンツ・EYE

『活きたISOによるマネジメントの強化』

(2017.4.11)

 ISOを取得している企業において、ISOの要求事項どおり活用している企業は全体の約2割で、残りの約8割は活用できていないと言われている。
 例えば、定期審査(サーベイランス審査)や更新審査の直前に、慌てて資料を準備するというケースが多いのが現状ではないだろうか。

 筆者自身、活用できていない企業にコンサルティングで伺うと、これは「ISO上の仕事」、もしくは「ISO上の文書」という会話をよく耳にする。
 「ISO上の」という表現自体が、活用できていない実態を表わしている。

 ISOを導入した企業(もしくは今後導入しようと検討している企業)でネックとなっているのが、文書が増加して負担が増えることではないだろうか。確かにISOには文書として記録することが大きく要求されている。

 しかしISO固有の文書は、「マニュアル」「マネジメントレビュー」「内部監査」だけであり、それ以外は全て日常業務の中で当然に発生するものであり、新たに作る必要はない。これは、導入時に取得目的及び要求事項の理解不足から、実態に合わせることなく文書見本をそのまま横展開して導入した弊害であろう。

 筆者は、ISOという手法は非常に良いマネジメントシステムであると考える。すなわち「しっかりとPDCAを回す」「継続的改善を図る」ための最適なツールであるからだ。

 活きたISOを実行するためには、以下の3つの着眼が必要である。

 ISOはあくまでも手段・手法であり目的ではない。要求事項の趣旨をしっかりと理解し、自社の実態に合わせて運用してこそ活きたISOになる。「ISO上の」という発言がなくなり、継続的改善を図られるよう、活きたISOを目指し、日々のマネジメントを行っていただきたい。

以 上

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